韓国映画
February 18, 2020
韓国映画 パラサイト 半地下の家族
タイトルは 英語の PARASITE をカタカナにしたものであり、その意味は「寄生虫」、そして「居候」という意味にまで発展している。 この映画の韓国語の原題は、「기생충(きせんちゅん」で、日本語に直すと、まさに「寄生虫」なのだ。貧しい家族がお金持ちの家族に寄生する様を描いた映画である。
どれだけ、この偽装した居候がファミリーとして稼いでいけるのか。このような状態を維持していくのは簡単ではない。大人はだませても、純真な子供や、本能で生きているペットはごまかし様がないのだ!
主人公のキム一家が住む「半地下」の住まいは、元々は防空壕や、ボイラーの収納に使うために作られたスペースである。そのスペースが、韓国の高度成長時代に、半分不法な、格安住居として大々的に活用されたというのがルーツであり、今は減りつつあるが、貧乏世帯を象徴する家だと言える。アパートの屋上に作られた「屋塔房」も似たような経緯でできたものだ。

この映画では大雨のために主人公が住む半地下のアパートの周辺が大洪水になり、半地下住居の悲惨な描写が生々しかった。そして、次のシーンは避難所。なんと、日本と同様に、避難家族は体育館にまとめて集められて、床の上で集団雑魚寝である!韓国もこの点は日本と変わらないのだということに、半分納得、半分失望であった。こういうところも似てるんだなぁ。
この映画は絶対に見て後悔はしないと思う。今、日本でも公開中だから見ておいてね!
September 28, 2019
韓国メディアの闘い「共犯者たち」
韓国ドキュメンタリー映画 共犯者たち
共犯者たち/공범자들/Criminal Conspircacy この映画は2017年、韓国で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した直後に韓国で公開されたドキュメンタリー映画。韓国の主要テレビ局、KBSとMBCで、当局に反発したために追い出された記者たちの物語。
ここで当局とは、2008年に登場した李明博(イ・ミョンバク)大統領の政権から、その流れを継承して2013年に誕生した朴槿恵(パク・クネ)大統領までの9年間に渡る政権である。
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エンド・タイトルにはこの期間に政府に反発して不当逮捕や不当懲戒されたテレビ記者、関係者の名前が延々と流れる。その人数に圧倒される!
日本には韓国のように記者魂を持った記者がいるのか、いないのか。もうそれはすでに明らかなようだ。もう2日後には消費税がアップしてしまうが、テレビでは消費増税に反対する意見はほとんど聞かれない。ツイッターで藤井聡氏が消費増税についてキレている映像が出回っているが、それが奇異に映ってしまうほど、一般の視聴者は洗脳されているのかも知れない。これが僕の思い込みに過ぎないことを願っている。
日本のメディアよ、韓国のタマネギ男について騒いでいる余裕があったら、この映画でも見て反省しろ!

YOUTUBEには、一時ネット公開された動画が誰かによってアップされている。字幕なしでも見たい人は削除される前にご覧あれ!
April 23, 2009
韓国映画「僕の彼女を紹介します」
この映画、「猟奇的な彼女
」で見せたのと同じような男勝りのキャラをチョン・ジヒョンが演じているが、勇ましいときと可愛いときのギャップが大きくてたまらない。ひょんなことから、誤逮捕してしまった男と二人で手錠の片方ずつをはめた状態でまましばらく一緒に過ごすうちに、互いに惹かれあい、付き合うことになるのだが、二人で一緒に洗面所で顔や足を洗う場面は傑作だ。
タイトルの「僕の彼女を紹介します 」というセリフは、最後の方にやっと出てくる。
その場面に前作「猟奇的な彼女 」での相手役、チャ・テヒョンがチョイ役で出ていたのには笑えた。
全編を通して、主人公たちの愛の深さについて、恋人のジョンウが不慮の死を遂げた後も一途にジョンウのことを思う主人公・ギョンジンの姿に心を打たれた。ギョンジンは、ジョンウを自分が撃ち殺してしまった(?)自責の念に悩まされて何度も死のうとするが、風になったジョンウが助ける。
これを見て思ったのは、人間いつ死ぬか分からない。夫婦、家族に自分が死んでから、或いは家族の誰かが死んでから後悔しなくて良いように、今のうちに人を思う存分愛して、やりたいこと、やるべきことをしないといけないということ。何だか心が洗われた。純粋に泣けた映画でした。
ところで、この音楽、X-JAPANの歌がテーマソングとなり話題だったが、その他にも、Bob Dylanの"Knocking On Heaven's Door"(天国の扉)のカバーと、Jackson BrowneやThe Holliesのカバーで有名な、"Stay"(ステイ)のオリジナルが何度も流れて良い味を出していた。前者は元々保安官も出てくるアメリカ映画、"Pat Garrett & Billy the Kid "の主題歌であったので、この映画でもしっくりと来た。映画冒頭のシーンで、空から撮ったようなソウルの夜景の中でこの曲のイントロが流れてくるところはなかなか格好良い始まり方だな、と思った。