電車の中

July 04, 2024

電車の中のスマホの使用


平日の午後に西武線に乗った。お客さんは全席埋まって数名が立っている程度だった。座っている人はスマホ(またはタブレット)を見ているか、居眠りしているかのどちらかだった。とても平和だと思った。こんなに安全な国は世界の先進国では他にはないかもしれない。

今回僕が思ったのは電車内でのスマホ使用についてである。電車内でのマナーは守るべきだということを大前提とする。

僕が子供の頃は電車内では夕刊紙やスポーツ新聞、雑誌、マンガが幅を効かせていた。乗客が車内に読み終わったものを置き捨てて降りることなど普通にあった。中高生時代は電車に乗る度にどんなマンガが手に入るか楽しみだったものである。

それが時代は移り21世紀、今や技術は進歩しロボットが実際に働き始めているが、スマホ片手に歩く人々の傍らでAIロボットが椅子に腰掛け紙に印刷された書籍を読むような風刺画が描かれる時代だ。

Asier Sanz 様作

cartoon ai robots

今はニュースもマンガも小説もスポーツ情報もスマホひとつあれば楽しめる。その上、イヤホンつければ映像も見られるし音楽も聞けるしゲームもできるのだから便利この上ない。スマホと一言で言っても電話会社の契約とセットなのは押さえるべきで、実はある程度の収入が保証されている人しか利用できない高級機器なのだ。

今、先のマンガのようにスマホに没頭している人の集団をネガティブに描いている絵や動画がよく見られるが、スマホ一つで電車内でできることの選択肢が増えて、より有意義な移動時間を過ごせているとは思えないのだろうか?

一昔前によく言われた「パソコンばかりいじってる」のときもそうだったが、「スマホばかりやってる」という言葉には違和感を感じざるを得ない。重要なのはそのスマホで何をやっているかであり、スマホという便利な機器を自律的に使えているかどうかだろう。(そういえば僕の両親は僕が机に向かっていれば勉強していると思ってくれたよなぁ、机ばかりいじってないで、とか絶対に言われなかった)

電車の中で居眠りする以外に何をするかといえばやはりスマホに頼ってしまうのは当然であり、時間の有効活用である。

ただし、これは15歳以上の大人の電車内での過ごし方だと考えてほしい。15歳未満の幼い子供たちは成長期で脳の基礎が出来上がっていく途上にあるため、脳の発達を阻害すると思われるからだ。幼いうちだけでも紙の印刷物を見て、読んで、見ながら書いて、描いて 理解する能力を育みたいものである。怖いのは、スマホを持たせておけば静かにしているだろうという親のその場しのぎの安易で軽率な判断。 ここまでスマホが普及し、今後も何が登場するかも予測し難くなっている今、15歳になるまでに親子の愛を言葉、表情、会話を通して育んでいくのが以前より何倍も重要ではないかと思う次第である。次のミュージックビデオの子供は決して幸せには見えない。
smartphone




paul83 at 00:13|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック