映画
September 02, 2023
朝鮮人なら○してもいいのか?
朝鮮人なら殺してもいいのか?
その映画とは、9月1日に関東大震災100周年の日に全国の映画館で公開された、ドキュメンタリー映画を残した森達也が初の劇映画として監督した、「福田村事件」である。6月に同タイトルの書籍発売と併せて記事でご紹介した。この記事でこの映画を見に行くと宣言したので、さっそく今日、某イオンシネマに行って見てきた。
(この記事には少しだけネタバレがあるので、気になる方はここでお引き取りを)
上掲タイトルのセリフは映画の中で福田村事件で虐殺される香川から来た行商人の一団が朝鮮人だと疑われ、そこで地元民で結成されていた自警団との激しい口論の中で行商人のリーダーが叫んだ言葉である。
香川の薬売りの行商人は香川の地元では被差別部落出身で、自分たちと朝鮮人とどっちが上なのか議論した。永山瑛太扮するリーダー、沼部新助は差別されて生きる自分たちが同じように差別されている当時の朝鮮人を差別する部下たちに心を痛め、朝鮮人に対して同情の気持ちを持っていた。
映画の前半の部分でそのようなシーンが登場する。 行商人が歩いていると道端で朝鮮のアメを売る少女と子供たちが立っていて朝鮮訛りの日本語でアメを買ってくれという。それを見て、一行の中の一人が「朝鮮人が売ってるアメなんか何が入っているか分からない」と言う。それを聞いた新助は、自分たちが薬を売るときに同じように言われたことを思い出し、アメをたくさん買うことにし、さっきの言葉を言った者を批判する。
行商人の一人がたくさん買ったから値引きをお願いするが、少女は親方に叱られるからと断る。しかし、後から追いかけ、朝鮮の扇子を1つオマケとしてリーダーにあげた。
なぜかこの暖かいシーンで感動し、涙が湧いてきたのだ。差別される者同士の心のふれあいのようなものを感じた。 この扇子が後の虐殺のきっかけになるとはつゆ知らず。
これ以上は内容については触れないが、この後も涙が湧くシーンがいくつもあった。
この映画には始終、朝鮮人、鮮人(蔑称)、さらには不逞鮮人 といった言葉が使われる。その言葉を聞く度に僕の心は揺さぶられる。
出演者についてはひとつも興味なかったのだが、田中麗奈 が主演格で、あの水道橋博士も出演していて重要で面白い役をこなしていたのは良かった。
関東大震災100周年を迎えて、今もなお、朝鮮人虐殺はなかった、それこそデマだという言説をSNSで度々目にすることが残念だ。 さらには虐殺された犠牲者の追悼集会にあいさつ文を送らない東京都知事にも呆れるばかりだ。
しかし、この映画が全国で上映され、僕が見た劇場は小さめの劇場だったが、ほぼ満席だったことが、日本人の大多数はこの問題を真摯に捉え、記憶に残そうとしているのだと確信を持てた。ただ、観客の年齢層が高く、若者が少なかったことは気になった。 明るい未来のためにも多くの若者に見てほしい映画である。
July 07, 2023
現在無料で見られる女子高生が主役の映画(日本の借金って?)
女子高生を主人公にして、日本の財政が映画のテーマである。 日本政府の財務省が国民を洗脳して、国民のための財政を行っていないことを告発する内容だ。
映画の中で、日本政府が機会あるごとに言う、「消費税は社会保障のために必要」、「国の借金が国民一人当たり○○億円ある」などの内容がいかに間違っているかを面白おかしく教えてくれる。
原作は2019年に発売されたこちらのマンガである。
主人公の女子高生、高橋アサミの父親は財務官僚だったが、財務省の方針にどうしても同意できず辞職する。その後、何かの理由で亡くなってしまった。政治の闇を感じさせる設定である。このような部分が他にも出てくる。
重要な登場人物として、人気芸能人から政治家に転身した人がいる。その人は与党の政治家だが、与党が掲げる緊縮財政に異を唱えていて、終盤、大活躍する。立場的には 自民党辞職前の 安藤裕 氏だが、映画の中のクライマックスシーンである、テレビ生討論番組での発言はれいわ新選組の山本太郎代表のような活躍を見せてくれる。
予告編映像
「国の借金」論や「消費税は福祉財源」論 を頑なに信じている人にぜひ見せて欲しい映画である。90分くらいなので、あっという間に見終わってしまう。
7月9日も、もう目前!あっという間に見れなくなっちゃうよ!
映画公式サイト
この映画と同じタイトルのテーマソングを、女性教師役で出演している あまりかなり が歌っているのも注目である。
山本太郎も街宣でこの映画について紹介もしていた。
この映画の監督 なるせゆうせい が新しい映画を公開したことを記念しての無料公開。この機会にぜひ映画本編を見て欲しい。そして多くの人にこの無料視聴を奨めて欲しい。
January 07, 2022
海外版「キタキツネ物語」の英語挿入歌
「キタキツネ物語」の挿入歌は全て日本語だが、ゴダイゴ特有の作曲方法、英語の詩に曲を付けて完成したあとに歌詞を日本語に訳すという定石どおりに作られた。しかし、残念ながら当時のゴダイゴによる英語バージョンは存在していない。(一部テレビやFMラジオでライブ演奏されたことはある)
海外で公開されたバージョン(英語タイトル "The Glacier Fox")では全ての曲を外国人が英語で歌っている。演奏はほぼ同じ様だ。(この映画が「西遊記」よりあとに作られていたらきっとゴダイゴのバージョンが聞けただろうな〜)昔、テレビで放映されたとき、音声多重放送で副音声では英語版を流していた。当時その副音声をラジカセのTV音声で聞きながら挿入曲の英語バージョンを録音して聞いたのであった。
その海外版の英語曲をご紹介する。YOUTUBEでまず見つけたのが、テーマソングの「赤い狩人」。日本でも町田義人によって大ヒットしたので、おなじみの曲だと思う。
オープニングとエンディングの2種類がある。
オープニング
エンディング
そして、ゴダイゴが担当した部分の曲の英語版もある。
Good Morning World
他の曲メドレー(みんなみんな不思議だね〜小さな翼〜ビッグ・アドベンチャー)
そんな中、「キタキツネ物語」のサウンドトラックが新たに登場した。(↑右)そこには正規版(↑真中)ではボーカルが他の歌手になってしまった朱里エイコのバージョンが収録されている。
英語版 映画のフル・バージョンも画質は良くないが、YOUTUBEで見ることができる。英語を聞くだけなら十分楽しめる。
それにしてもこの映画、海外版のDVDやサウンドトラック、入手できないものだろうか。
実は3年前にも同じような記事を投稿したのだが、最近アクセスがあったので、11年前(2011年1月)の投稿を再編集した。URLも変更した。
October 07, 2020
ジム・キャリーのトゥルーマン・ショー
昨晩、映画、「トゥルーマンショー/The Truman Show」を観た。日本公開時に一度映画館で観た記憶があるが、Netflix にあったのでもう一度観てみた。
この映画は一人の人間が、生まれたときからの(ドキュメンタリーならまだしも)人生そのままが巨大なリアルなスタジオの中でのTVショーとなってしまっている設定。
主人公、トゥルーマン・バーバンクは幼い頃に海か川で恐ろしい事故に遭って、自分が住む街から橋を渡って出ることが怖くてできなくなった。船に乗って海に出ることもできない。決められたエリアの中に押し込められて、周囲の一般人、職場の同僚、友人、家族まで俳優の街で生活しているのだ。
公開された1998年当時、僕が映画、MASK/マスク を見て気に入った俳優、ジム・キャリー/Jim Carrey 主演の映画だったという理由で観た。当時はとても面白いコンセプトだと思って純粋に娯楽作品として楽しんだ。
次の動画は夫婦で家にいるときに突然妻がテレビCMを始めて、主人公、トゥルーマン/Truman がその不自然さを不審に思い、妻に追及するシーンである。
スマホが普及した現在に再び見ると、何かとても怖いものを感じる。
この物語の主人公は生まれたときから俳優たちの演技によって育てられ、俳優で一杯の街でディレクターが作ったシナリオ通りに、周囲に誘導されながら恋をし、結婚もし、仕事をしている。その一部始終が、世界的ネットワークを誇るようなテレビ局によって、街中や室内などあらゆるところに仕掛けられた数千台にも及ぶ隠しカメラで撮影されて世界に放映されている。24時間休みなく継続するテレビ番組なのだ。
アメリカ中の人々がこの超リアルな、人生ライブ放送に釘付けになっている様子が描かれる。
その中で唯一、少しだが描かれる非英語圏の国が日本なのだ。(なんか象徴的だと思うのは僕だけ?)
当時はスマホはまだ未来物語の映画の中にしか存在しないようなモノだった。せいぜい携帯電話が普及し、NTT DoCoMo の i-mode がもてはやされてた頃だったのではないだろうか。
しかし、今は大多数の日本住民を含むいわゆる先進国の人々は嬉々としてスマホを持ち、自分の居場所を晒し、見たもの、聞いたものを自慢するかのごとくインターネット上で共有している。
ある意味、現実世界の上で国民総トゥルーマン化に自ら参加して喜んでいると思えるのだ。もちろん、管理人もその一例である。
更に世界中の大都市では防犯の名目であらゆるところに監視カメラが設置されようとしている。
しかし、このことにより喜ぶのは誰なのか?自己顕示欲が強い人や、今流行りの「リア充」の人たちは満足しているのかも知れない。
しかし、そうでない、偽装「リア充」や、願望者もいるんじゃない?
いずれにせよ、今、自分のプライバシーを何も考えずに共有している人たちが多過ぎると思う。
進んで共有しておいて、個人情報が漏れたからって苦情を言うのもどうか、と思うところも僕にはある。(個人情報漏洩事故が度重なっている、大企業ほどよくあるが、謝罪文は飽きるほど見たり聞いたりするけど、誰か責任とったのか?という疑問もある)
自由とか、フリーとかいうものには、どうしてもネガティブなことを覚悟しなければならないと思う。この資本主義、自由主義社会の中で無料で得られる自由には必ずその代償が伴っているのだ。
多くの人々が、自ら進んで自分の居場所、興味あること、好きな食べ物、好みのファッションなどを知らせているので、自由を謳歌できて満足感を得ている人もいるかも知れないが、これってある意味、個人情報だと思う。個人情報をどんどん世界に共有していいのだろうか?
この映画の主人公は個人で生活をエンジョイしているように思っているが、実はすべて世界の人々の目に晒されているのである。
最後のシーンでは勇気を振り絞って海を渡って外国へ行こうとするが、そこは単なるスタジオ内であったという理由によって実現せず、何とも悲しい結末を迎えることになるのだ。
僕は日本の住民全てがこの映画の主人公、あるいは脇役になりながら、お互いを傷つけ合っているのではないかという疑問を感じるようになった。
そして、この状況に喜んでいるのはやはり、モノを作って売って個人情報を得て、その情報を参考にして更にモノを作って売ってどんどん儲ける大企業と資本家だと思う。全ての一般人はその企業のために働き、人生を消費していく。
僕らはそれで幸せだと感じているならそれでいいだろう。この世界はそのように回っている。しかし、このことを皆が意識して世の中を見るだけでも世界は少しはより良く変わるのではないだろうか。
February 23, 2020
映画 レ・ミゼラブルに感動!
この映画は、ビクトル・ユゴーの小説を原作にしたミュージカルで、かつて日本では「ああ、無情」というタイトルで知られていて、僕は小学生の時分に小学生向けの小学館雑誌の連載で読んだことを記憶している。 ただし、その記憶だけ残っていたのは、パン1個を盗んだばかりに一生警察に追われて大変な主人公の物語だということ。
そして、2012年にミュージカル作品「レ・ミゼラブル」となって蘇っていた作品が映画化され、当時個人で教えていた英語スクールの学生が、その挿入歌、「民衆の歌」を教えてほしいと言ってきた。
だから、ユーチューブで探して教えた。この歌の歌詞は、生活苦にあえぐ民衆を戦いへと導く歌詞である。その歌詞と動画は、このプロテストソングのサイトで味わってほしい。
そして、その映画をついに今、見終わった。
「民衆の歌」をはじめとして、革命後に再び王政が続いたフランスの、民衆の苦しみが描かれて、戦いへの至るプロセスとその後がドラマになっている。
パン一個を盗んで19年間も奴隷のような懲役を過ごし、危険人物として仮釈放された主人公、ジャン・バルジャン。彼は釈放されてすぐにキリスト教の教会の神父さんに救われるが、その教会の銀の器を盗んで逃げ出したが、神父はそれを許し、警察に捕まってきた彼を助けた。 彼の一生はこの、慈悲の心により改心される。
その反面、ジャン・バルジャンを逮捕した警察官、ジャベールは、その任務への忠誠心から、ジャン・バルジャンを一生追い詰め続ける。
主人公、ジャン・バルジャンはそれ故に息苦しい生活を余儀なくされるのだが、この映画で同時に描かれるのは、若者たちの革命だ。 政府軍の充実した武力に簡単に屈してしまうのだが、その青年たちの怒りと、軍人たちの任務遂行のための冷酷さが鮮やかに浮き立たされていた。
僕が思うのは、時代は違い、環境も改善されて、科学も発展し、生活も豊かになったけれども、当時の権力層と一般庶民の関係は、相対的には変わっていないのではないだろうかということだった。
今の日本って、まさにその状況まで急速に近づいてきた様な気がする。となったら、誰かが先頭に立って「民衆の歌」で国民を立ち上がらせるしかないのでは?
August 17, 2019
「主戦場」観て慰安婦問題について知ろう!
慰安婦ドキュメンタリー「主戦場」
The Main Battleground of The Comfort Women Issue
주전장/ 주 전쟁터
今、話題の映画、「主戦場」を見てきた。この映画は日系アメリカ人のミキ・デザキ/Miki Dezaki 監督による、従軍慰安婦についてのドキュメンタリー映画である。以前から見たいと思っていたがようやく日時の都合がついて、渋谷で見ることができた。
代表的なのは、否定派では櫻井よしこ、杉田水脈、ケント・ギルバート(当然英語でしゃべってる)、テキサス親父の藤木俊一。肯定派では歴史学者の吉見義明、憲法学者、小林節、慰安婦記事を初めて書いて後で捏造と批判され、脅迫までされた元朝日新聞記者、上村隆。他にも韓国とアメリカの著名な論客が多数出演する。
最後まで見終わったらどう感じるだろうか。こればかりは観た人次第であるが、僕は飽きることなく見て、学ぶことができた。
速いテンポで進んだこの映画、内容を消化するためにはパンフレットを買うべきだと思った。僕と同じく、パンフレットを買って帰ろうという人が何人も入口カウンターに並んでいたのには驚いた。パンフレットには主な内容が語られた言葉通りに掲載されていた。
「主戦場」を通して、従軍慰安婦制度はあったのか。日本軍の関与はあったのか。慰安婦は何人いたのか。慰安婦は性奴隷だったのか。このような問題の答えを見出すことができると思う。
韓国で製作された従軍慰安婦に関するドキュメンタリーは、元慰安婦の女性から話を聞いていくというのが普通だが、この作品では元慰安婦の女性は、最初のところで少し登場し、最後、締めくくりのところでサプライズのように一人登場する。もちろん、この映画のために撮ったものではなく、既に惜しくも亡くなられた方の過去に撮影された映像である。しかし、最後のシーンでは驚きと同時に、目頭が熱くなってしまった。ドキュメンタリー映画でこのように感動するとは思ってなかった。
慰安婦についての議論の間に挿入された解説も、画期的な内容が多かった。
現代史の授業を通して日本の植民地時代について詳しく学んでいる韓国の若者と、慰安婦ということば自体を知らない日本の若者。これについては、1997年から歴史の教科書に「慰安婦」のことが書かれるようになるが、2006年以降、全ての教科書からその言葉が削られた経緯が解説されている。
また、終戦後にアメリカがA級戦犯として巣鴨プリズンに収監されていた、安倍首相が尊敬して止まない祖父、岸信介を釈放し、アメリカ政府の代弁者に仕立て、日米安保条約を締結させ、自民党を創設させたこと。
また、靖国神社に旧日本軍のコスプレをして大きな旗を翻しながら更新する右翼連中の様子もしっかりと紹介されている。
最近、名古屋の「表現の不自由展〜その後」で問題になった慰安婦像(平和の少女像)まで、出番を待っているといいながら紹介された。
この映画を作り始めたとき、ミキ・デザキ 監督は大学生だった。「主戦場」は大学の卒業作品ということになった。この映画のためにインタビューに答えた慰安婦否定の論客たちから、不満が噴出しているというので、監督自身が自身の潔白を示す動画をアップしている。
最後に、これは映画を見ながら思ったことだが、慰安婦の犠牲者に謝罪するということはどんなことか。言葉で「申し訳ない」と言って、さらにお金で補償すれば終ることなのだろうか?いや、違う。慰安婦の存在を認め、後世に伝えていくことが大切なのだ。慰安婦問題に限らず、戦時に日本軍が犯した戦争犯罪の数々を後世に伝えることである。
しかし、現在の政権与党、自民党には安倍首相を筆頭に、A級戦犯の血筋を持つ人々が権力を握っているので、不名誉で不都合な過去は無かったことにしようとしている。教育でも、今は愛国心を損なう内容を教科書に含めると、検定で落ちてしまうので、教科書出版社は安倍政権に都合の悪い内容は含めないようにしていて、実質国定教科書のようになっているそうだ。だから、若い世代は日本の加害者の立場での戦争史を学べない。
これこそ韓国の国民が納得しない主な理由のひとつなのだ。だから反安倍なのだ!
November 03, 2013
原発事故の映画、「朝日のあたる家」観てきたよ!
原発事故の映画、「朝日のあたる家」観たよ!
原発事故被災地を描いた映画、「朝日のあたる家」が公開中!という記事を書いて約1ヶ月後の10月18日、ついにこの映画を見ることができた。東京出張があり、その間に時間が空いたので、渋谷まで行って観てきた。
「朝日のあたる家」を上映している劇場は都内でも2,3箇所しかなく、そのときはここだけだったと思う。その劇場の名前はアップリンク/UPLINK!
劇場名は最新式の映画館のような響きを持っているが、入ってみてビックリ!30人も入れば満席になりそうな狭さで、座席は床に所狭しと並べたリクライニング・チェアなど。色々な椅子が入り混じっていて、どこかが壊れている中古品ばかりのように思えた。
そんな劇場の最前列のリクライニングシートに腰かけて両足を前に伸ばし、買ってきたジュースとパンを食べながら上映開始を待った。
映画は予定通り始まった。観客はたったの三人。終了時までには4人に増えていたが、少なすぎる!みんな一人で観に来た男性だった。
映画は僕の二つの大きな勘違いを覆した。
一つ目、主演が山本太郎で藤波心ちゃんも重要なキャストだと思っていたが、どちらも友情出演程度の出演だった。
主人公は父、並樹史郎、母、斉藤とも子、長女の大学生、平沢いずみ、次女の中学生、橋本わかなで成る4人家族。山本太郎は沖縄に移住した父親の弟役、藤波心は長女の学友役。
二つ目、福島第一原発の事故後の福島が舞台だと思っていたが、福島原発事故から数年後に別の原発で事故が起こる静岡県が舞台だった。
しかし、被災者や政治家たちの様子はすべて福島原発事故で起こった事実をベースにして作られているそうだ。
もっとも印象に残るシーンは、原発事故後、死の灰を雪だと思って楽しんだ姉妹たちが避難所の体育館で被爆検査の再検査を要求されるシーン。
体育館では防護服を着込んだ警備員や電力会社に雇われた人たちが普段着で集まった人々を誘導する。要するに、防護服を着ないと危険な場所への避難だったとしか思えない。避難民たちは皆それに違和感を感じていたことだろう。そんな中で娘たちが再検査を要求された両親の動揺がとても印象的に描かれていた。
「朝日のあたる家」は被災者一家の様子を通して、福島の原発事故が普通の生活をしていた人たちの日常の生活を奪い、積み上げてきたものすべてを放棄せざるをえなくしたことと、被災者が生活基盤を失って苦しんでいる現状を教えてくれる。
映画の人物描写がとてもリアルで、原発事故の恐ろしさを十分に痛感できる。
普段は日本で映画を観ないし、見たところで1000円前後するパンフレットは絶対に買わない僕だが、今回に限っては買わせていただいた。もちろんこの映画を応援する一環としてだが、なんと直筆サイン入りのパンフレットが同じ価格で売ってたので、そちらを購入!僕は中学生を熱演した橋本わかなちゃんのサイン入りを買いました!
アップリンクではまだまだ上映を続けるそうなので、ぜひ皆さんも観にいってね!絶対後悔しないと思うよ!
現在公開中/公開予定の全国の劇場
017-783-5081
024-533-1515
03-6825-5503
045-243-9800
0465-45-5685
025-243-5530
055-962-4649
075-661-3993
084-981-5073
093-581-5678
099-222-8746
September 16, 2013
原発事故被災地を描いた映画、「朝日のあたる家」が公開中!
原発事故被災地を描いた映画、「朝日のあたる家」が公開中!
今、とても重要な日本映画が日本で公開中だ。重要なのにもかかわらず、いや、むしろ重要だからこそ、一般の映画館で上映拒否が続いている。大手メディアを招待した試写会には一社も来なかったそうである。それでも上映を了承した勇気ある?良心的な映画館が全国で15館ほどある。
その映画とは、「朝日のあたる家」。2011年3月11日の東日本大震災の被災者たちの姿を描いた映画だ。本当なら全国一斉ロードショーをしてもおかしくない作品だ。ロサンゼルスの映画祭、ジャ-パン・フィルム・フェスティバル2013でも絶賛されたそうだ。脱原発を目指して活動している山本太郎、藤波心も出演している。
東京では9月28日に渋谷で単館ロードショー。
予告編トレーラーをご紹介する。
映画館関係者の知人、親戚がいる人はぜひ上映を提案してほしい。出演:並樹史朗、斉-藤とも子、平沢いずみ、橋本わかな、藤波心、いしだ壱成、山本太郎。監督:太田隆文(「ストロベ-リーフィールズ」「青い青い空」)
トレーラー
上映予定(9月16日現在)
未定 新潟シネウインド(新潟)
July 25, 2011
朝鮮戦争の戦場を描いた韓国映画「高地戦」
今日は韓国ソウルは東大門にあるメガマックス(MEGAMAX/메가맥스という映画館で「고지전/高地戦」という映画の舞台挨拶があるというので、見に行ってみた。
映画が始まる直前に主演俳優4人と映画監督が登場し、一人ずつ挨拶してくれた。挨拶の内容は平凡だったが、続いて4人の直筆サインが入ったメモ帳をプレゼントするというイベントがあり、当選者を俳優自身が選んでプレゼントした。当選したファンは前に出てきて、俳優と手をつないだり、ハグをしたり、見るのも結構楽しかった。主演の一人、コ・ス/고수が爆発的な人気だった。
この映画は朝鮮戦争(韓国では『韓国戦争』、北朝鮮では『祖国開放戦争』と呼ぶ)でワニ中隊(악어중대/アゴチュンデ)と呼ばれた部隊が北朝鮮とひとつの高地を奪い合う戦闘でのエピソードである。南北境界線上で北の領土になったり南の領土になったり、主が何度も入れ替わる過程で、南北間の小さな秘密の交流も描かれている。秘密の交流というのはなんとも不思議な形で行われる。
板門店では休戦に向けての折衝が繰り返され、韓国軍の最前線では休戦協定はいつ結ばれるのか、早く決めて欲しいという雰囲気が兵士たちを包んでいた。やっと1953年7月27日、休戦が実現し、南北共に前線は大きな喜びと安堵感に支配されるのだが、実はそこには最後の本当に辛い試練が待ち受けていた。
この映画は同族同士で殺しあった朝鮮戦争がどんなに虚しく意味の無い戦争だったかということを浮かび上がらせてくれる。
撮影に一年を要し、戦争のリアルさを表現するために1万4千人を動員、主演から端役俳優まで実際の軍で実施される訓練を受けたという。これは韓国・朝鮮民族が目を逸せない重たい「分断」というテーマを扱った、「シルミド」以来の大作映画だと思う。
ところで、冒頭紹介したコ・ス、韓国で本当に人気がある!日本でも人気爆発間違い無しと言えるくらい格好よかった。
公式サイト(韓国語)
April 02, 2011
プルトニウムの恐怖!ダーク・サークル、見てください!
今回事故が起きた福島第一原子力発電所でも3号機がウランの原子炉でプルトニウムを燃やすプルサーマル炉であるので、周辺で微量ながらプルトニウムが検出されたというニュースを見て鳥肌が立った。もしその地にプルトニウムが大量に検出されたらそこは後世何十代にも渡って誰も住めない汚染された土地として居座り続ける。24,000年でも放射能が半分になるだけ。
幸いプルトニウムの透過性は数センチとごく短いので外部被曝の心配は無いが、一度体内に取り込むと対外に排出されるまでの間に放射線が体内の細胞に傷を与え続ける。
今回の原発事故は、重大度ランクでは最高のチェルノブイリ事故より下でスリーマイルよりは上だと言われているが、冷静に考えてみると、完全な炉心溶融、所謂メルトダウンはまだ起こっていないものの、水素爆発等で有害物質を放出した原子炉は少なくとも4つもある。チェルノブイリもスリーマイルも事故を起こした原子炉はひとつずつ。そういう意味では歴史上、また世界的にも最大規模の災害だと言える。
広島に落とされた原爆の原料がウランで、長崎がプルトニウムだ。これらの原料はそもそも軍事目的で作られ続けた。原子力発電はその延長線上にある。原子力発電はそのまま原爆製造につながるものだと世界的には普通に思われている。ウラン・プルトニウムの採掘販売会社や原子炉製造メーカーは世界的な軍産複合体で、そこに莫大な利益が流れている。「原子力推進=軍事産業繁栄」なのだ。
プルトニウムの恐ろしさと世界普及の裏側を見せてくれるすばらしいドキュメンタリー映画をYOUTUBEで見た。タイトルは「Dark Circle/ダーク・サークル−暗い円」。1982年に作られ、サンダンス映画祭で国際エミー賞を受賞したもの。
この映画には日本に落とされた原爆製造から米ソ冷戦時代の「核抑止」理論に基づく核兵器の大量生産と国際的な拡張の様子、その実験のために犠牲になる工場周辺の地元住民や原爆実験を間近で観察するアトミック・ソルジャーの様子、長崎で被曝した被爆者も登場する。
見るに耐えない映像が次々と出てくる。個人的には被曝したときに人間の肌がどうなるかを調べるために、爆心地から近いところに生きた豚を一匹ずつ小さな入れ物に入れて実験をしたときの豚たちが断末魔のような叫び声を上げるところがとても印象に残る。とても貴重な資料だ。
今回の福島原発事故により世界中で反核運動が盛り上がっている今、当事国に住む我々は今この映画を見るべきだ。英語だが、字幕付なので、英語のリスニング練習にもなる。10分くらいで区切られて9本、恐らくノーカットで視聴できる。ぜひ全画面に拡大して見ていただきたい。
April 22, 2009
韓国映画「デイジー(DAISY)」
今日の映画は韓国映画「デイジー」。スタートは、田舎道を車がゆっくり走る前を主人公が自転車をこいでいるシーンから始まる。野原と道路がとても美しい。なんだか田舎の田園風景の中でののどかな生活が描かれるような期待を持たせる。
タイトルのデイジー(DAISY)とはヒナギクという白い花のことで、映画中で重要な役割をする、ある意味主役かも。ちなみに花言葉には「純潔」というのがある。
最初は初恋・運命的な出会いを期待する少女の切ない恋愛ドラマかと思いきや、このあと映画の雰囲気は二転、三転する。
画家として成功を目指し、オランダで日々似顔絵を描きながら過ごす韓国人女性、ヘヨン。
その女性に二人の男が惚れてしまう。それも片方は国際警察官、もう片方は人殺しで生計を立てているスナイパー。
この設定だけでもこれからのヒロインの波乱と面白さが期待できる。
主演はどこかで見た可愛い女優だと思ったら、「猟奇的な彼女 」のチョン・ジヒョンじゃあありませんか。スナイパー役の男も見覚えがあると思いきや、 「私の頭の中の消しゴム 」のチョン・ウソン。警察の方は、見覚えが無かったが、イ・ソンジェ。
二人のまったく逆の立場の男の間で揺れ動くヒロインの心が上手く描写されていた。特に印象に残ったのは、スナイパーがヘヨンの家に来たすぐあとに警察の男がしばらくぶりに訪問してきたときのシーン。3人の描写がすごい。誰も一言も話さないシーンがしばらく続くが、3人の心の動きが表情と動作からよく伝わってきた。
結末は非常に衝撃的である。悲しすぎるよ。
この映画も純愛ロマンスって感じだが、アクションシーンもハラハラする銃撃戦もあり、刑事ドラマの面白さも兼ね備えた傑作だと思う。
April 20, 2009
韓国映画 「B型の彼氏」 TVオンエア
NHK BS2で今週、韓国映画特集が始まった。
今日は「B型の彼氏」。久しぶりに韓国映画を見たが、かなりハマってしまった。
男女が偶然運命のような出会いをし、紆余曲折を経て最後はハッピーエンドというお決まりのストーリーだが、なかなか面白い。
これもやはり純愛映画で心洗われる。
この映画によって韓国では血液型論争が盛んになり、血液型占いが大ブームになったとか。
主演のイ・ドンゴンを目当てに見た人が多いと思うが、僕は男だから、むしろヒロインのハン・ジヘに引かれながら、ワクワクしながら見ていた。
ハン・ジヘの顔はなんだか以前どこかで会ったことがある人のようで、とても親しみを感じた。もちろん、かわいい。その彼女が、韓服の場面以外は全編ミニスカートっていうのがとてもかわいくて良かった!さすが、モデル出身だけある。
公開当時はこの映画のせいで、B型の人は大変だったんじゃないかな。僕はA型でよかったとつくづく思う。
December 07, 2007
John Lennon 凶弾に倒れて27年目
12月8日はビートルズのリーダーJohn Lennonが、ファンと名乗る男に銃殺されてから27年目を迎える日だ。
12月7日には妻の小野洋子さんが、複数のテレビに登場し、インタビューに応じ、彼女得意の前衛芸術まで披露した。また、本日より封切られるドキュメンタリー映画、 「Peace Bed アメリカVS ジョン・レノン」の宣伝、今年10月9日(Johnの誕生日)にアイスランドに完成した「イマジン・ピース・タワー」の披露式の様子も映し出されていた。そこにはリンゴ・スターや、ジョージ・ハリスンの奥さんも登場していた。
「イマジン・ピース・タワー」(以降IPT)は、実際のタワーではなく、夜空へ地面から上方へ真っ直ぐに伸びた光の塔のことである。その台となるところには「Imagine Peace:平和を想像しましょう」というメッセージが24ヶ国語で刻まれている。今後どんどん他の言語のメッセージが追加される予定だそうだ。ハングルでも刻まれているのだろうか。
このIPTは、今から40年前の1967年にヨーコさんが構想したコンセプチュアルな光の塔だそうだ。彼女の前衛芸術のセンスが光るひとつの作品だ。世界中から寄せられた10万通を超える願いのメッセージが塔下に永遠に埋められ、その願いが強い光となって、ウィッシング・ウェル(願いの井戸)から発信されるという、地球を包み込む壮大なアートだ。このサイトで、あなたもお願いのメッセージを送ることが出来る。とてもロマンチックでしょう?
上記のサイトは、ドキュメンタリー映画の公式サイトだが、この映画、ジョンと当時ニクソン大統領が率いていたアメリカ政府の戦いが、関係者のインタビューと、初公開の映像を交えて検証されるとても興味深い内容。ジョンが戦いの歌を歌う闘志溢れる姿も見ることが出来るだろう。Happy Xmasにも表れる、War Is Over If You Want Itがどのように出てきたのかも分かるそうだ。
ジョンの命日ということで、彼を偲びながら最近また賑やかになってきたジョンの周辺を書いてみました。
January 04, 2007
武士の一分
武士の一分(いちぶん)
邦画を久しぶりに映画館で見た。 木村拓也主演だった。 あまり偉くないサムライの役だ。それも毒見役。 これは水戸黄門で、うっかり八兵衛の役回りだったと思う。 上級侍の食事を事前に毒見する役目で、毒見の様子が興味深かった。
ストーリー的にも面白かったし、キムタクの演技も彼らしさが出ていて、なかなか良かったと思う。 妻役の壇れいも、けなげな妻をとても上手に演じていた。
男としての意地を感じ、自分もそれくらいに命を掛けて、人生の勝負に立ち向かわないといけないと思えたほどに印象的な作品だった。 めったに邦画は映画館では見ないのだが、義母に付き合った形で、良い感動を得ることが出来た。
September 17, 2006
August 27, 2006
三丁目の夕日 オールウェイズ
舞台が僕が生まれる少し前の東京(?)。当時の様子がかなりリアルに再現されていたのに驚いた。しょっちゅう出てくる路面電車や、蒸気機関車はどのように撮影したのだろうか。とても不思議だ。
ここに出てくる主人公の作家青年は、飲み屋のバツ一女性と相思相愛の関係になり、彼女が連れていた友人の子供を養いながら、日々が流れていく。
テレビの登場など感動的なシーンを織り交ぜながら、見る人を飽きさせない。
この映画は昨年公開されたが、そのとき弟に、とてもいいから絶対見ろと言われて、映画館まで行ったのだが、その日は正月三が日で、夜遅い回がなく、見ることが出来なかった。弟に連れられてその映画を観た僕の両親もとても良かったと言っていた。
この映画で、人は金よりも心だということを改めてしみじみと感じた。