故郷訪問
November 07, 2007
人生初の祖国の故郷訪問
今日は僕の祖父の故郷へ行った。清道(チョンド)郡にはそのものズバリ「清道」という駅がある。テグから列車で二つ目の駅で、30分くらいの距離だ。ソウルとプサンを結ぶ京釜線(キョンブソン)にある。
清道駅の前には「鰍魚湯[チュオタン]」のお店ばかり何軒もあり、ここ清道の名物だそうだ。「チュオ」が何の魚なのか分からず、迷った末に思い切って食べてみた。すると、母が昔時々作ってくれたスープの味がした。で、味をよく思い出したら「チュオ」が「どじょう」だということが分かった。
日本にもどじょう鍋があるが、それはどじょうをそのまま煮ると聞いたことがある。反面、韓国のどじょう汁は、どじょうを一度粉々に、フレークにしてスープにする。味付けは味噌汁に近いと思う。僕にはよく説明できないが、そこにたまねぎ、にんにく、にらなどが入り、好みに応じて山椒や塩を加える。良い汗をかきながら美味しく平らげた。
次は群営バスで故郷まで!と思ったが、一度目は行き先を間違えてすぐに戻ってきで出直した。バスを降りたところは僕らが探していた、華陽(ファヤン)ウプ三新(サムシン)1洞であった。
ハングルで書かれたそれらの地名が僕の心を躍らせた。ついに故郷に来たんだと、何とも言えない嬉しさに包まれた。時々トラクターが一般道を普通に走るような田舎の農村地帯だが、とても愛しく感じた。
バスを降りるとそこには温泉施設があり、その向かい側に広がる住宅街が故郷の町だった。そこを故郷の番地を捜し歩いて偶然行き着いたところが、なんと郡役所の出張所。そこのパクさんが色々世話をしてくれた。まず、僕の故郷の住所がどこなのか当たってみてもらったら、なんと、ダムになっていた。親戚も探してくれて、偶然そのうちの一人と会うことができた。生まれて初めてその存在を知り、突然会うことになった男性はトラックの運転手で、当地名物の柿を毎日運んでいるそうだ。お互いにあまりに唐突で、あいさつと自己紹介するのがやっとだった。必ずまた来ると約束してその場を後にした。
パクさんは親切にも、当地名産品の柿のワインを貯蔵しているトンネルに役所の車で連れて行ってくれた。そこは6キロメートルのトンネルでかつては鉄道が通っていたのだが、今は鉄道はなく、柿ワインの貯蔵所として利用されている。トンネルの入口の上には明治37年開通という文字が刻んであり、今年が丁度トンネル開通100周年だそうだ。中にはワイナリーがあり、試飲もでき、販売もしている。せっかくだから飲んでみようと一本買ってしまった。
最後には清道駅までわざわざ送ってくれた。彼のおかげでとても有意義な故郷訪問をすることができた。厚くお礼をして別れた。このパクさんとはまたいつ会えることだろう。ぜひまた訪れたいと思った。