パッチギ

May 04, 2009

フォークルの新結成記念解散音楽會

今日は久々に家でひとりで過ごしている。図書館で借りてきたフォーク・クルセダーズのCD、「新結成記念解散音楽會」というのを聞いてみた。ここにはフォークルが一時再結成したときに出したアルバム、戦争と平和からの曲を中心に、若かりしころのヒット曲もライブで披露したもの。

ちょうどそのとき、2001年から2002年にかけては、映画パッチギ !が大ヒットしていて、その中でテーマソングだったフォークルイムジン河が一躍注目を浴びていたときで、この再結成も期せずして映画とのタイアップのような感じもしたものだ。

この映画でもエンディングで使われた「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌詞カードを見ながら歌い始めたらなぜか涙が流れそうになりまともに歌えなくなってしまった。どうしてか分からない。この歌がイムジン河に続いて演奏されたので、「パッチギ」を見て涙を流したときを思い出しての涙だったのかもしれない。

「あの素晴らしい愛をもう一度」は先の「戦争と平和」にも新録音で収録されていて、素朴だが悲しい内容である。その内容に合わないくらい元気で弾けるギター3重奏(?)が逆に悲しさを際立たせる。そのマジックにはまったのかもしれない。

絶対に歌詞の内容で涙が出たとは思わないが、もしかしたら潜在意識の中で今韓国に留学中の妻を恋しがっていたのかもしれない。

ところでこのライブアルバムでイムジン河は二回演奏される。一回目は普通に、最後近くに歌われた二回目は韓国語に訳した歌詞を一番にして、三番には新たな解釈の訳詩を付けて歌ったが、そのときの曲紹介が良かった。

北と南を分断する心の中の河だが、日本と朝鮮半島の間にも流れ、また、私たちの間にも、世界のどこへ行ってもなかなか渡れないイムジン河があるといった趣旨の内容だった。

忌野清志郎さんが若くして亡くなられたが、彼のレコードが発売禁止になるよりずっと前に発売禁止になったこのイムジン河、ライブ動画を見つけたので見てください。フォークル最後の「イムジン河」です。



paul83 at 14:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

May 24, 2007

パッチギ!LOVE & PEACE 泣けました!5

パッチギ!LOVE&PEACE

パッチギ Love & Peace 公式ブログ 昨日見てきました。 これまた泣けました。 時代背景は1974年。僕が小学4年生頃で、ちょうどそのころ父の転勤により東京に引っ越して来ました。 前作よりも身近な時代で、がきデカの「死刑」、多摩動物園のライオンバス、ブルース・リーのカンフー映画ブームがあり、にしきのあきら美空ひばりなどの歌手が話題になるような時代。自分が子供だったときの懐かしい雰囲気。そう、僕がリ・アンソンの子供チャンスくらいのときだったのです。

中心はチャンスがかかった不治の病、筋ジストロフィーを治すためにアンソン、キョンジャ、そして藤井隆演じる佐藤までが巻き込まれて頑張るお話。

その中でも中心は芸能界デビューする中村ゆりが演じるキョンジャの話。在日韓国・朝鮮人が芸能界で活躍するのに日本人のふりをしていることに疑問を感じながら芸能界のしがらみの中で人気女優に成長する過程が描かれる。当時の芸能界の裏側が垣間見えたところも面白かった。

なんと中村ゆり自身が、本当に在日であったのだから、迫真の演技にも納得が行く。参照

最後には戦争映画の主役女優をこなすが、戦争映画に疑問を感じ、反発する。

アンソン・キョンジャの父親が戦争中に徴兵を逃れて日本へ渡ってくる話が所々に挿入され、反戦メッセージを発信しているところがタイトルがLove&Peaceである所以だろう。

反戦平和のメッセージとは別に、この映画の底流に流れているのは、在日コリアンと日本人との間に流れるイムジン河を渡りきれるかということだ。 在日も日本人も互いに理解しあって、戦うことなく平和に生活できることを願っているのだ。最後にキョンジャが、前作での松山康介(塩谷瞬)のように、佐藤君と付き合うような感じを漂わせている。

衝撃的とも言えるラストシーンは、在日と日本人が普段は包み隠している本音と本音がぶつかり合ったのだと思った。

この映画でもうひとつ特筆すべきことは、東京都江東区枝川にある東京朝鮮第二初中級学校でも撮影が行なわれたこと。 アンソンの息子チャンスがここに通っている設定で本物の朝鮮学校を利用した。 この東京朝鮮第二初中級学校は、ごく最近まで東京都知事により土地の一部の明け渡しと土地の使用料4億円の支払いを迫られていて、3年以上にわたる裁判(枝川裁判)で勝訴したばかりの学校だ。 登場する子供たち向けの紙芝居の中で、在日朝鮮人が東京オリンピックの開発のために強制的に埋立地である夢の島へ移住させられた経緯が解りやすく語られるのだ。

ところで、最後にひとつ付け加えるなら、ボクサーのホン・チャンス(徳山昌守)が出演しているのだ。見た人は気が付いただろうか?これから見る人は最初の乱闘シーンで彼が朝高生の最強の役で現れるが、それと判る場面はほんの一瞬なので、気を付けて見て欲しい。

これまでタブーとされてきた在日コリアン問題に真っ向から取り組み問題提起をするこのシリーズ、在日の一人としてこの映画製作者の皆さんに心から感謝します。

この映画を気に入った人へお奨めの映画

urihakkyoposterこの映画の内容を気に入った人はこの映画も見てほしい。それは現在韓国で絶賛上映中のドキュメンタリー映画、「ウリハッキョ(我らの学校)」。こちらは韓国人監督が北海道の朝鮮学校に入り込み、監督自身と生徒、教師のお互いの心の交流と現実を映した作品。ただ、日本での公開状況はよくわからず、自主上映を続けているので、こちらを見て欲しい。 (5月19日に千葉で上映されたようだ。)



paul83 at 08:04|PermalinkComments(0)TrackBack(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

May 18, 2007

イムジン河のメロディ5

今晩、あの「パッチギ」(井筒和幸監督)がテレビ放送される。 もう僕はすでに2回も見ているが、今夜も妻と共に見るつもりだ。

さて、この映画のテーマソングとなった歌、「イムジン河」は、僕は朝鮮学校で確か高校時代に習ってよく歌ったものである。 

フォーク・クルセダーズのバージョンは2002年まで聞いたことがなかったが、初めて聞いたときメロディが少し違うと思った。 その違いはどこに原因があったのかが解った。 この曲の日本語の歌詞を付けた松山猛氏は、朝鮮学校に通う友人からこの歌を教わった。 その歌をフォークルの加藤和彦氏に口頭で歌って聞かせたのだ。 口頭伝達だから微妙な違いが生ずるのも当たり前で、その過程を想像すると笑ってしまう。

この歌、色々な紆余曲折を経て、歌詞も何種類かあるらしい。 ここを見ればこの歌についてもっと分かるかもしれない。 パッチギを見る人には映画と共にこの歌にも親しんで欲しいと思う。

明日はこの映画の続編、"Love & Peace"の封切り日とあって、絶好のタイミングでのTV放映。 続編も劇場へ見に行きたいと思う。



paul83 at 19:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック