ニール・ヤング
April 25, 2009
NEIL YOUNGの「大統領を弾劾せよ」の動画
前回紹介したニール・ヤングの反戦アルバム"Living With War"の7曲目、"Let's Impeach the President"(大統領を弾劾せよ)の動画を紹介します。
この歌の中にはブッシュ前大統領の発言がそのまま収録されている。FLIP FLOP(コロコロ変わる)という掛け声に挟んで、彼の矛盾した発言を並べている。なかなか面白いので、YOUTUBEから動画をリンクした。
歌詞と訳詩 曲中ブッシュの発言内容
2年以上前の歌だけど、まだ聞いたこと無い人はぜひ見てください。曲はいたってシンプルだけど、迫力あるよ。
April 17, 2009
ニール・ヤングの反戦アルバム

僕は最近、偶然にニール・ヤングのアルバム、"Living with War "を聞くことができた。これは驚くべきアルバムだった。 ニール本人が「これはメタル・フォーク・プロテスト」アルバムだと宣言しているとおり、アルバム全体が反戦メッセージで満たされている。プロテスト・アルバムだ。タイトルから、戦争の話題からいつも逃げられない現代の生活を表している。
これは2006年発売のアルバムで、もう3年も前のこと。この中で特筆すべきなのは、ストレートなプロテストソングが沢山入っていること。例えば、「大統領を告発せよ」"Let's Impeach the President"という曲は、イラク戦争についてフセインとアルカイダの関係について、フセインの大量破壊兵器所持疑惑について、発言が変わっていることを取り上げている。曲中にブッシュ前大統領の肉声も入っていて、歌詞カードには記されていないが、プロモーションビデオで英語字幕で確認することができるようになっている。最初の発言と、後で翻した発言が順番に入っててとても分かりやすい。
次に、「指導者探し」"Looking For A Leader"では、「アメリカに指導者はいるが、ホワイトハウスには指導者がいない」という趣旨で、曲中に「恐らく次の大統領は女性か黒人かも知れない」と、当時からポスト・ブッシュ候補として注目されていたヒラリー・クリントンや、バラック・オバマを示唆している。オバマに関しては、コリン・パウエルと一緒に、黒人大統領の可能性として一緒に実名が出てくる。このPVには、初代からG.W.ブッシュまでの歴代大統領の写真や動画が順番に出てきて面白い。ブッシュの次は、まだこの時点では「?」となっている。
他にも、「自由の旗」"Flags of Freedom"は歌詞の中に1963年に公民権運動で盛んに歌われた、Bob Dylanの「風に吹かれて」"Blowing In The Wind"を登場させ、曲は、やはり、Bob の"Chimes of Freedom"の続編のような作りになっていたり、「落ち着きの無い消費者たち」"Restless Consumers"では、報道規制下のマスメディアの報道に一々反応して振り回される大衆を描き、テレビやラジオは信じられないと歌っていたりする。
ニール曰く、こんなことは20台の若い連中がやってくれるだろうと思ったが、未だに自分たちの世代が現役で頑張って続けていかなければならないと、若いミュージシャンたちに対する失望を表現していた。
プロテスト・ソング研究家と自負していた僕が、ニールに関しては関心外だったので、今になってこのアルバムを見つけて、とても残念だ。もっと早く紹介できればよかったのに。
ここで全曲のPVを見ることができるので、興味ある人はぜひ見てください。ほとんどのPVの下方にイラク戦争での月ごとの死者数が紹介されている。久しぶりに通して聞く気になるアルバムを見つけた。しばらくは歌詞の内容を楽しませていただくとしよう。