ドキュメンタリー
September 28, 2019
韓国メディアの闘い「共犯者たち」
韓国ドキュメンタリー映画 共犯者たち
共犯者たち/공범자들/Criminal Conspircacy この映画は2017年、韓国で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した直後に韓国で公開されたドキュメンタリー映画。韓国の主要テレビ局、KBSとMBCで、当局に反発したために追い出された記者たちの物語。
ここで当局とは、2008年に登場した李明博(イ・ミョンバク)大統領の政権から、その流れを継承して2013年に誕生した朴槿恵(パク・クネ)大統領までの9年間に渡る政権である。
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エンド・タイトルにはこの期間に政府に反発して不当逮捕や不当懲戒されたテレビ記者、関係者の名前が延々と流れる。その人数に圧倒される!
日本には韓国のように記者魂を持った記者がいるのか、いないのか。もうそれはすでに明らかなようだ。もう2日後には消費税がアップしてしまうが、テレビでは消費増税に反対する意見はほとんど聞かれない。ツイッターで藤井聡氏が消費増税についてキレている映像が出回っているが、それが奇異に映ってしまうほど、一般の視聴者は洗脳されているのかも知れない。これが僕の思い込みに過ぎないことを願っている。
日本のメディアよ、韓国のタマネギ男について騒いでいる余裕があったら、この映画でも見て反省しろ!

YOUTUBEには、一時ネット公開された動画が誰かによってアップされている。字幕なしでも見たい人は削除される前にご覧あれ!
December 15, 2018
安倍政権の横暴 水道民営化(華氏119を見て)

安倍政権になって、消費税の10パーセントへのアップ、秘密保護法案や移民法改正法案など、国民にとって負担が増える法案の強行採決ばかり続けられている。そして最近は国民の命を直に左右する水道法が改正された。
そして先日は岩手県のペンション村として知られる雫石町で問題が起こった。ここは最初から水道が民間企業によって始められたところで、おいしい水道水として知られていたが、水道ポンプ用の電気料金等を払えなくなって住民たちの水道使用継続に赤信号が灯った。突然追加料金を請求され、支払わない場合は水道をストップするという宣言が成された。( 町で水が止まる危機 住民困惑…何が? )
水道民営化が可能になってしまった直後にこのような事例が現れるとはなんとも皮肉である。
世界の多くの国々で水道が民営化されたものの、問題が多くて再度公営化された事例が多いのだが、これらに学ぼうとせずに十分な審議を経ないまま通された改正水道法案は、断固としてつぶさなければならない。
実は最近公開された、マイケル・ムーア監督によるドキュメンタリー映画、「華氏119/Fahrenheit 11/9」でもミシガン州フリント市で起きた重大な事件が紹介されていた。
ニューズウィークの記事
水汚染に対するミシンガン州の驚異的杜撰さと違反の隠匿
2010年にトランプ大統領の知り合いの大富豪、リック・スナイダーが州知事になった。2014年にはフリント市の水源を、水のきれいなヒューロン湖から汚染されたフリント川に変更した。川水が汚染されていたので、老朽化していた水道管の鉛が水道水に混入するという事態になった。そのために多くの市民が、子供たちも含めて、健康に深刻な被害を被った。
なぜこうなったかといえば、フリント市がより良い水道公社に作り替えることを決めたが、貧困層が多いフリント市ではその費用が払えなかった。そのために公社に加わらず、フリント市独自の水道事業を始めなければならなかった。
フリント市には大手自動車企業のGM、ゼネラル・モーターズ/General Motors の工場があるが、そこで使用する水も汚染されて大きな問題になったので、その工場へだけは新水道公社から水が供給されるようになった。
フリント市出身のマイケル・ムーア/Michael Moore はリック・スナイダー知事の逮捕を求めて立ち上がった。黒人が多かったので、人種差別的な政策でもあると訴えた。
そして大きな訴訟問題になり、アメリカ合衆国政府的な連邦災害宣言を要求されるまでになった。そしてオバマ大統領がフリントまで飛んで行く。市民たちは大いに期待したが、オバマ大統領はコップに入れて出されたフリントの水を口に付けるだけで飲んだふりだけして、事実上の安全宣言を出して市民たちの期待を完全に裏切ってしまった。
この事例は民営化とは少し異なるが、採算重視の政策が人道的とは思えない政策を行わせたという意味で、今後の日本でも水道が民営化されたら十分に考えられる悲劇である。
この動画は映画の予告編だが、フリントの水を詰めたタンクローリーでスナイダー知事の家の前に降り立ち、放水するシーンから始まる。
これまでの水道民営化、再公営化の流れを知りながらもあえて水道民営化への第一歩を踏み出す日本政府は、間違いなく、日本国民の利益ではなく、海外のグローバル企業の利益のために仕事をしていると確信する。
水道民営化や秘密保護、TPP、消費税増税、移民法改正など、現在の安倍政権下で可決された国民を苦しめる法案を破棄するためには自民党政権を一日も早く終わらせなければならないと思う。
山本太郎VS麻生太郎 の質疑
2017年3月 8分11秒目、水道民営化の後の再公営化の話のところから再生
こちら、森永卓郎さんの解説も聞いてください。
良心的で学識のある日本国民の皆さん、
どうか安倍政権を終わらせるために
立ち上がってください!
April 26, 2011
May 01, 2007
ドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」IN ソウル
韓国のソウルでウリハッキョという映画を見た。韓国人の映画監督キム・ミョンジュン氏が北海道の朝鮮学校を3年間取材して作ったドキュメンタリー映画だ。
舞台は北海道朝鮮初中高級学校
北海道朝鮮初中高級学校は、日本学校で言えば小学校から高校までの一貫教育を実施しているのと同じである。小学一年生で入学すると、12年間同じクラスで勉強して卒業していくのだ。北海道には一つしかない朝鮮学校であるこの学校には北海道全域から生徒が集まってくるので、遠くの生徒のために寄宿舎がある。多くの生徒たちは小一のときから親元を離れ、寄宿舎でクラスメートたちと生活するのだ。この映画では生徒たちの学校生活とインタビューを中心に3年間のいくつかのエピソードが盛り込まれた。
朝鮮学校唯一の日本人教師
前半のクライマックスは日本人のサッカー監督、藤代先生についてだった。藤代先生は、朝鮮学校のサッカー部指導教師との交流を通して朝鮮学校を指導することになった。藤代先生の立派なところは、朝鮮学校の生徒を教えるには朝鮮語で話すべきだという信念を持ち、朝鮮語をマスターしようと努力し、映画中のインタビューでは日本語交じりの在日と同じような朝鮮語で話していた。後には正式に体育の教員になったのだ。朝鮮学校唯一の正式な日本人教師となったのだ。
映画の中では、地方予選を勝ち進み、あと一歩のところで敗れてしまった試合後の監督と生徒たちの悔しさがよく現れていて、とても感動的だった。
高級部卒業生の朝鮮への修学旅行
後半のクライマックスは卒業生たちの朝鮮への修学旅行。朝鮮学校の高級部(高校に相当)3年生は修学旅行で朝鮮を訪問する。今は入港できなくなってしまったマンギョンボン92号で訪問するのだ。
このときはマンギョンボン号で訪問できたのだが、「拉致被害者を救う会」の人々が船の前で大々的な反朝鮮抗議運動を展開していて、周囲は警察による厳戒態勢が敷かれていた。生徒たちはこのような波止場にマイクロバスで入り乗船することになるのだが、韓国人であるキム・ミョンジュン監督は入場を自粛せざるをえなかった。
これは生徒たちが乗船する姿を撮影できないということだ。しかし、監督は遠くから船が見えるところを探して、望遠レンズで船上の生徒たちを撮るのである。もう生徒たちの家族同然になった監督を見つけた船首のあたりに集まった生徒たちがみんなで一斉にポーズを取ったり、手を振ったり。とても良いシーンであった。しかし、監督は2年以上同じ民族として何の壁も感じずに親しくなった朝鮮学校の人たちとの分断の壁を初めて感じたのだと云う。
しかし、この監督には抜かりが無く、生徒の一人にビデオカメラを持たせたのだ。その生徒が責任持って祖国訪問の様子を撮影して帰ってくる。当然その様子も映画に出てくる。韓国中の映画館で朝鮮学校の生徒たちが朝鮮で観光を楽しむ姿が映されているのだ。なんと素晴らしいことだろう。
一生を教育に賭したお母さん先生
朝鮮学校はほとんど同胞たちの寄付によって運営されている。(朝鮮学校への寄付は法的に寄付と認められていないので、免税対象とならない)従って、教員たちの収入もそんなに多くない。なので女性の教師は結婚すると止めざるを得ない。そんな中で、結婚後もずっと教師を続けてきたベテラン教師がいた。その先生は、今回の主役生徒たちが高3の時にガンを患っていることが判明した。そのことは誰にも知らせずに、授業を責任を持って遂行する。生徒たちの卒業式が終わるとすぐに病院に運ばれたのだ。そしてしばらくの闘病生活の末に亡くなられてしまう。この先生は正に民族教育に我が身を捧げた、英雄的な教師だったと思う。ご冥福をお祈りします。
学校講堂での結婚式
北海道の朝鮮学校は半分以上の生徒たちとほとんどの教師たちが朝早くから夜遅くまで共に生活する、小さな世界だと言える。この学校の先生方は休むひまも無く働いているので、遊んだり、結婚相手を探したりするのも限られる。
この映画の中でも、教師同士の結婚式が出てくるのだが、結婚式は学校の講堂で執り行われた。朝鮮人は普通結婚式と披露宴を同時に行なう。幸せな主人公たちは同僚教師と生徒たち、それに同胞たちによる手作りの結婚式を行なった。僕の両親も昔、父の職場であった朝鮮学校の講堂で結婚式を行なったのだが、21世紀の現在もこのような結婚式が行なわれているのには驚いた。
こんなに感動的なドキュメンタリー映画は初めて見たような気がする。実は、僕も3月まで2年間、ある民族学校で働いていて、4月に辞めたばかりだった。そんな僕が韓国へ来てこの映画を見ることになったのは、何か運命的なものを感じた。この映画はまだ日本では公開されていない。何箇所かで上映会が行われたくらいだ。大阪の朝鮮学校で上映会があり、キム・ミョンジュン監督が挨拶されたそうだが東京ではまだのようで、近々千葉で上映会があると聞いた。
この映画、在日同胞が見ると必ず感動する。しかし、日本国民が見たらどうなのだろう?ぜひ多くの善良な日本人の皆様に素直な気持ちでご覧戴きたいと思う。
