映画

April 13, 2025

映画 ミッキー17 の感想5

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今大人気の映画、ミッキー17/Mickey 17 を見た。 アメリカ映画なのだが、監督は韓国人、「パラサイト 半地下の家族/기생충」でアカデミー賞監督賞、作品賞、他を受賞したポン・ジュノ/봉준호/Bon Joon Ho だ。 

第36回サンダンス映画祭で二つの賞を受賞した ミナリ/미나리/MINARI に主演した スティーブン・ヨン/Steven Yeunヨン・サンヨプ/연상엽) も主人公の親友的な存在、TIMO/ティモ という重要な役を演じている。

主人公、ミッキー/Mickey ロバート・パティンソン/Robert Pattinson というイギリス人俳優が演じている。


この後、若干のネタバレがあるかもしれないのをご承知でご覧いただきたい

この映画は近未来の物語で3Dプリンターの超進化版とも言える人間をコピーするプリンターが登場し、そのプリンターで死ぬたびに何度でも新たに再生される男、ミッキー/Mickey のお話。

ミッキーはある契約により自分の体をその任務に捧げることになった。彼の記憶は保存され、新しく生まれ変わるたびにその記憶がインプットされ、どんどん積み重なっていく仕組みだ。

彼は死んでも生き返る存在なので、感染症の人体実験など命がけの任務を請け負い、その役目は結局死ぬことなのだ。ホンモノの使い捨てワーカーである。ここではミッキー一人しか出てこないが、このような人間をこの社会では 「消耗品/EXPENDABLE」と呼ぶ。

そのような任務で16回死んで、17人目として生まれてきたのがミッキー17である。

そして、手違いからミッキー17が死ななかったのに死んだと思われ、ミッキー18が生まれてきてしまった。それは映画設定上の法律では禁止されている状態なのである。ここから話が複雑になっていく。

地球人が進出した宇宙の星に生息しているクリーパー/Creepers という未知の生物との関係もこの映画では重要な要素だ。 地球人は彼らを「エイリアン」と呼ぶが、そのクリーパーにとっては自分の星にやってきた地球人こそがエイリアンなのだ。これはアメリカ大陸の先住民と、そこを支配した白人たちの構図と同じである。


この映画を見ながら感じたことは、ミッキー17は日本では派遣社員のようなものだということ。派遣社員は決められたことを忠実にこなし、契約期間が終わったら捨てられるように解雇される存在だ。失敗したら途中で他の人と交換されることもある部品のようなものでもある。ポン・ジュノ監督は人間社会の上下関係をこの映画を通して表現したかったのだろう。ミッキー17は最下層の使われ放題の労働者なのだ。

また、彼が受ける任務の中に、人工肉を本物の肉だと思わせて食べさせられるものがある。これこそ今、現実の社会の中で研究され、問題になっているものだ。本当の動物を虐待することも殺すこともなく、遺伝子か何かわからないが、化学的に肉を作り上げる技術。

もしかしたら SDGs/持続可能な開発目標 に組み込まれている代替肉みたいな技術であるが、この人体実験はどこで行われるのだろうか?今まではマウスやサルでやっていたと思うが、今、その実験が発展途上国や、もしかしたら日本でも行われているとしたらどうする?日本ほど食料品に関する規制が緩い国は先進国の中ではないと言われている。欧米で売れなくなったものが日本で売られている現実。また、他国ではほとんど推進されていないレプリコンワクチンの接種が日本では大々的に奨励されている現実。これらを踏まえると日本という島国が今、様々な先端技術の実験国になってきている恐れがあると思うのは考え過ぎだろうか?過去に遡れば、米軍による広島、長崎への原爆投下もそのような実験だったのだから。






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January 25, 2025

映画「ハウス」を観た!

映画 HOUSE/ハウスを観た!

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高田馬場駅近くの名画座、早稲田松竹にて1977年公開の日本映画、「HOUSE/ハウス」が上映されている。今日1月25日から28日までの4日間のみである。

公開当時のトレーラー




この映画は音楽をゴダイゴ/GODIEGO が担当しているのだ。その理由だけで僕は以前、VHSのビデオをレンタルして小さなテレビ画面で観たことを覚えている。

今回、映画館で上映されていることを偶然知って、観ることにした。監督はこの後に「時をかける少女」「さびしんぼう」などの人気映画を世に送り出すことになった大林宣彦さん。

この映画はホラー映画に分類されるようで、アメリカのティム・バートン監督映画の「ビートルジュース・ビートルジュース」との二本立て上映。

僕が生きているうちに映画館でこの映画を見ることになるとは予想していなかった。そんなワクワクした気持ちで見ると、主演は女子高生7人。公開当時は主人公たちと同じくらいの15歳の女子向けの映画だったそうだ。その7人の中になんと、主役が池上季実子で、わき役に大場久美子がいたのだ。二人とも当時人気絶大なアイドル女優ではなかったのか。最後の方には池上のちょっとした露出があってドキッとした。

音楽を担当したゴダイゴ/GODIEGOのメンバー、挿入曲である「君は恋のチェリー/Cherries Were Made For Eating」が流れる、少女たちが列車の旅に出かける東京駅(実際よりも小さい!)の前でカメオ出演している。トミー・スナイダースティーブ・フォックスミッキー吉野の3人の登場時間が少し長い。同じく音楽を担当した小林亜星は奇妙なチョイ役で登場する。

君は恋のチェリー イメージビデオ

あと重要な役を南田洋子が演じ、戦死した恋人役として若かりし頃の三浦友和まで特別出演!少女たちの部活の先生は尾崎紀世彦

以上のように、豪華で興味深いキャストだった。

作品はホラー映画だが、全体的にコミカルな流れになっていて笑える部分も多い。また、7人の若い女優たちの少しお色気が漂う初々しさと、恐ろしい場面での様子とのギャップが何とも言えず際立っている。

何よりも強調したいのが、フィルム撮影が当たり前でCGという概念すらなかった当時の技術にしては様々な特撮の試みが成されてる部分も興味深かった。

ゴダイゴ/GODIEGOが奏でるインストのテーマ曲も効果的に使われていた。


最後のシーンで流れる成田賢が歌った日本語の愛のテーマ、「ハウスのふたり」、そのシーンの中で見ると、歌詞が不気味なその後を予想させてくれる、そんな役割があったのだと悟った。


トミー・スナイダーがボーカルを担当した短い「Yes, I Thank You」はエンディング曲だった。この曲と同じくらいにエンドロールが短かったのに驚いた。


それにしても早稲田松竹で4日間だけ限定で上映してくれたのがありがたいし、その日に僕が見ることができるスケジュールにピタッと合ったということは、運命だったのだろう。

劇場ロビーに掲示されていた貴重な記事をスクショしてきた。拡大したら読めると思う。
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ついでにビートルズとは何の関係もないビートルジュースなる映画も楽しめて意義深い週末となった。
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July 31, 2024

この動画はヤバい!「人身売買は国策」

衝撃的な動画を見た。タイトルは「人身売買は国策」。50分以上に及ぶ長い動画だが、今まで僕が断片的に知ってるつもりだったことがこの動画を見て一本の線につながった。

the wolf

サングラスをかけた動画主は淡々と語るのだが、ほとんど無駄がなく重要な内容が切れ間なく続くので疲れそうだと思った。だが、世界の歴史と状況を紐解きながら語り、必要な画像を適宜挿入しているのでしっかりと大局的な視点から理解しながら見られた。ただ、聞き慣れない単語や天皇など登場人物に関しては一時停止して調べてみたりもした。

 

動画の中で紹介されている、イエズス会という組織の集合写真では西洋人を真ん中にして数十名の明治維新の立役者たちが取り囲んでいる。驚くべきことに、その西洋人の前に座っているのが明治天皇なのだ。

SOUND OF FREEDOM

去年の夏にアメリカ社会を揺るがした映画、サウンド・オブ・フリーダムという児童の売買についての映画がようやく今年9月27日に日本でも封切られることとなったが、それは小児性愛者のために児童を連れ去って売買する組織について実在の事件を元に描いた作品だ。


本国での予告編(日本語字幕付き)


アメリカ国内でもこの映画の上映に対してどこからかわからない妨害工作があったと多くの視聴者が証言している。

日本の場合なんの問題もなさそうなこの映画が、1年も公開自体が見送られてきた。その理由にも疑念が湧く。

仮に巷で噂されているようにアメリカの民主党政権が人身売買を国策として行っていることが事実だとしたら、欧米の差し金で作られたとこれまた噂されているように 明治維新、明治天皇の時代からの日本国支配が続いているとしたら、日本国内での女性の性奴隷的な人身売買は本当に国策なのではないかと勘ぐってしまう。となると、戦時中の従軍慰安婦の信憑性も増してくるというものだ。

日本国民の賃金が30年間上がらず、どんどん貧乏になっているのは、そのような生活のために体を売る女性を存続させ続けることも目的の一つではないかと思ってしまうのだ。また、ネット上にあふれているアダルトビデオ用の日本人女性を放置しているのも同じことだろうと。

国策として国民を貧乏にしておけば、少ない報酬でどんなことでもしてくれる実質的に奴隷みたいな人材だらけになるのだ。 この状態は誰にとって望ましいのか?

一部の富裕層、上級国民と言われる特権階級、さらにその背後にいる大国の思惑で日本は貧乏になっているのではないか。としたら、このままだと日本では今後どんどん欧米によって支配されていく。それでいいのだろうか。海外から来る外国人のために日本人(先住民?)が奴隷のように働く国になってもいいのだろうか。それは日本国民自身が決めることだ。





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February 17, 2024

沖縄狂想曲を観た!


沖縄狂想曲 太田隆文 監督作品
Okinawa booklet


山本太郎も出演した原発を反対する映画、2013年公開の「朝日のあたる家」を監督、製作した太田隆文監督が、最近は沖縄問題関連の映画を『ドキュメンタリー沖縄戦』『乙女たちの沖縄戦』と立て続けに発表している。

現在、全国の良識ある映画館で公開中の「沖縄狂想曲」を観てきた。 幸運にも母親の実家からとても近い映画館で上映されたので、気軽に行くことができた。

ただ、MOVIX系のシネコンだったのだが、この映画のポスターはどこにも掲示されていなかった。 毎日1回だけの上映だから仕方ないのかも知れないが、これじゃあ、映画館が上映しているのに観る人を増やしたくないのだと思ってしまう。上映しているかどうかでさえ、上映スケジュール表の小さな文字を見ない限り分からないのだ。

この映画のパンフレットも売店の店頭に展示されていなかった。もしやパンフレットを売ってもいないのかと思いながら店員さんに「『沖縄狂想曲』のパンフレット、ありますか?」と、訝しげに聞いたところ、即答ではなく「確認してみます」と言われ、すぐ後に「ありますよ」と言われ、売ってくれた。税込み800円!(パンフには700円と印字されているのだが…)


映画館の中は20人ほどの観客、悠々と座って鑑賞できた。

この映画を見て学んだことはたくさんある。中でも日本政府がアメリカから購入を決めたヘリコプターみたいな垂直離着陸機、オスプレイがどんなに危険な代物なのかをとても具体的に、わかりやすく学ぶことができた。

全体を通して歴史の流れの中で沖縄の問題を捉えることができた。

そして、沖縄の基地問題は沖縄と米軍の問題ではなく、アメリカと日本との関係の最前線であるということをまざまざと実感させてくれた。

この映画の内容のキーワードは以下である。(パンフレットの表紙から)
騒音問題 オスプレイ コザ蜂起 日米合同委員会 
普天間基地問題 
日米地位協定 辺野古問題 悲しみの連鎖

山本太郎の国会での日米合同会議に対する質問するシーンや普天間基地の辺野古移転計画に関わった鳩山由紀夫元総理への直撃インタビューも登場する。
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この映画が語るのは「日本はいかに米国の植民地であるか」に尽きる。日本国民にとってはつらい現実を目の当たりにすることになる。しかし、これは「知らなかった」で済ませる問題ではない。 みんなが「私には関係ない」、「沖縄県という一地方の問題だ」と他人事と思って来たからこの問題はひとつも改善されていないのだ。

今まで沖縄はハワイに匹敵する、海が美しい国内のリゾート観光地だというイメージしか持ってなかった人たちに見てほしい映画だ。

沖縄基地問題は沖縄県だけの問題ではない。 日本という国全体を象徴する問題なのだ。映画の中で「沖縄は炭鉱のカナリヤ」みたいな存在だと言っていた。まさにそうだと思った。

この映画を見ると沖縄だけでなく、首都東京の上空を支配する横田レプコン、所謂横田空域のことや、終戦直前に沖縄県民と朝鮮人が動員されて作ったと言われる長野県の広大な地下施設、松代大本営についても知ることができる。

管理人は以前、「福田村事件」の映画を見て、全ての日本人に見てほしい映画だと書いたことがあるが、この「沖縄狂想曲」も全ての日本人に見てほしいと思った。

僕は日本の学校で教育を少しも受けていない。知る人ぞ知る、日本にある民族学校を小学校から大学まで修了した者である。その全教育課程を通して、ほとんどの先生方からアメリカや日本の問題点について批判的に教えられてきた。だから、まだ若い頃は日本人と話をしても通じなかったり、誤解を生んだりする言動をしたことがある。

今はその時とは打って変わって日本の教育現場で英語を教えているが、日本の教育現場では政治的な要素がかなり抑制されているという印象を拭えない。自分も余計なことを口走らないように気をつけている。だが、教員の意見を押し付けるのはよくないとしても生徒たちに中高生の頃から政治に関心を持たせることはとても重要なことだと思う。

したがって、多くのお父さん、お母さん方がこの映画を見て、意識的に子どもたちの未来のための活動と教育をしていただければいいな、と思う次第である。

この映画製作に対しては協力してくれるスポンサーがほとんどなく、低予算での活動だったそうだ。太田隆文監督は安いビジネスホテルやレンタカーを利用しながら大変な苦労をされたようで、映画をほぼ完成させたところで病に倒れ、闘病生活を余儀なくされてしまった。

そして、この映画の公開が決まった後はこの映画に対してテレビはもちろん、どのメディアからも取材依頼がないという。

ということは、日本政府やそのバックにいる大きな権力にとって、この作品は多くの国民に見られては迷惑な映画だということだろう。 僕が行った映画館も先日上映終了したが、上映はしてあげるけど宣伝はしない、そんなスタンスであったのだろう。

だからこそ、みんなが見に行くべきなのだ!
知ることが力、KNOWLEDGE IS POWER!
見て、知ることから始めよう!
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September 02, 2023

朝鮮人なら○してもいいのか?

この記事のタイトルは、僕が心を動かされた映画のセリフである。◯ には (殺)という漢字が入る。最近は ツイッター(現エックス) やティックトック、フェースブックなどでこの字がよく隠される。それもどうかと思うが、その流れに乗せてタイトル表示からは隠した。本文中で改めて書く。

朝鮮人なら殺してもいいのか?

その映画とは、9月1日に関東大震災100周年の日に全国の映画館で公開された、ドキュメンタリー映画を残した森達也が初の劇映画として監督した、「福田村事件」である。6月に同タイトルの書籍発売と併せて記事でご紹介した。



この記事でこの映画を見に行くと宣言したので、さっそく今日、某イオンシネマに行って見てきた。

(この記事には少しだけネタバレがあるので、気になる方はここでお引き取りを)

fukudamura aeon


上掲タイトルのセリフは映画の中で福田村事件で虐殺される香川から来た行商人の一団が朝鮮人だと疑われ、そこで地元民で結成されていた自警団との激しい口論の中で行商人のリーダーが叫んだ言葉である。

香川の薬売りの行商人は香川の地元では被差別部落出身で、自分たちと朝鮮人とどっちが上なのか議論した。永山瑛太扮するリーダー、沼部新助は差別されて生きる自分たちが同じように差別されている当時の朝鮮人を差別する部下たちに心を痛め、朝鮮人に対して同情の気持ちを持っていた。

映画の前半の部分でそのようなシーンが登場する。 行商人が歩いていると道端で朝鮮のアメを売る少女と子供たちが立っていて朝鮮訛りの日本語でアメを買ってくれという。それを見て、一行の中の一人が「朝鮮人が売ってるアメなんか何が入っているか分からない」と言う。それを聞いた新助は、自分たちが薬を売るときに同じように言われたことを思い出し、アメをたくさん買うことにし、さっきの言葉を言った者を批判する。

行商人の一人がたくさん買ったから値引きをお願いするが、少女は親方に叱られるからと断る。しかし、後から追いかけ、朝鮮の扇子を1つオマケとしてリーダーにあげた。

なぜかこの暖かいシーンで感動し、涙が湧いてきたのだ。差別される者同士の心のふれあいのようなものを感じた。 この扇子が後の虐殺のきっかけになるとはつゆ知らず。

これ以上は内容については触れないが、この後も涙が湧くシーンがいくつもあった。

この映画には始終、朝鮮人、鮮人(蔑称)、さらには不逞鮮人 といった言葉が使われる。その言葉を聞く度に僕の心は揺さぶられる。

出演者についてはひとつも興味なかったのだが、田中麗奈 が主演格で、あの水道橋博士も出演していて重要で面白い役をこなしていたのは良かった。

関東大震災100周年を迎えて、今もなお、朝鮮人虐殺はなかった、それこそデマだという言説をSNSで度々目にすることが残念だ。 さらには虐殺された犠牲者の追悼集会にあいさつ文を送らない東京都知事にも呆れるばかりだ。 

しかし、この映画が全国で上映され、僕が見た劇場は小さめの劇場だったが、ほぼ満席だったことが、日本人の大多数はこの問題を真摯に捉え、記憶に残そうとしているのだと確信を持てた。ただ、観客の年齢層が高く、若者が少なかったことは気になった。 明るい未来のためにも多くの若者に見てほしい映画である。



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July 07, 2023

現在無料で見られる女子高生が主役の映画(日本の借金って?)

僕が見たいと思っていた映画が現在、7月9日までYOUTUBEで無料公開中だというので、さっそく見てみた。 その映画のタイトルは 「君たちはまだ長いトンネルの中」。去年公開されてSNS上で結構 話題になった映画である。

kimitachiha mada LONG TUNNEL

女子高生を主人公にして、日本の財政が映画のテーマである。 日本政府の財務省が国民を洗脳して、国民のための財政を行っていないことを告発する内容だ。

映画の中で、日本政府が機会あるごとに言う、「消費税は社会保障のために必要」「国の借金が国民一人当たり○○億円ある」などの内容がいかに間違っているかを面白おかしく教えてくれる。

原作は2019年に発売されたこちらのマンガである。



主人公の女子高生、高橋アサミの父親は財務官僚だったが、財務省の方針にどうしても同意できず辞職する。その後、何かの理由で亡くなってしまった。政治の闇を感じさせる設定である。このような部分が他にも出てくる。

重要な登場人物として、人気芸能人から政治家に転身した人がいる。その人は与党の政治家だが、与党が掲げる緊縮財政に異を唱えていて、終盤、大活躍する。立場的には 自民党辞職前の 安藤裕 氏だが、映画の中のクライマックスシーンである、テレビ生討論番組での発言はれいわ新選組山本太郎代表のような活躍を見せてくれる。

予告編映像


「国の借金」論や「消費税は福祉財源」論 を頑なに信じている人にぜひ見せて欲しい映画である。90分くらいなので、あっという間に見終わってしまう。




7月9日も、もう目前!あっという間に見れなくなっちゃうよ!

映画公式サイト


この映画と同じタイトルのテーマソングを、女性教師役で出演している あまりかなり が歌っているのも注目である。



山本太郎も街宣でこの映画について紹介もしていた。


この映画の監督 なるせゆうせい が新しい映画を公開したことを記念しての無料公開。この機会にぜひ映画本編を見て欲しい。そして多くの人にこの無料視聴を奨めて欲しい。



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June 24, 2023

福田村事件から100年5

fukuda village pair

今朝のNHKニュースによると、千葉県野田市が100年前にそこで起きた福田村事件の犠牲者に対して弔慰を表明した。



4年前に瀬戸内KSB放送で福田村事件が紹介されたことがある。この動画で概要は分かる。



関東大震災の数日後、四国の香川県からはるばる千葉まで品物を売りに来た行商人達が讃岐弁という聞き取りにくい方言を使っていたので、千葉の人々は彼らが朝鮮人だと思い込んだ。当時、政府は朝鮮人が震災後の混乱に乗じて暴力を振るったり、井戸に毒を撒いたりしているという流言飛語(デマ)を流していた。人々は自警団を組織し、朝鮮人狩りをして、大勢の朝鮮人を殺害したと言われる。

この事件は9人の日本人が朝鮮人と間違われて自警団に殺された事件であると同時に、当時朝鮮人狩りが横行していたという事実を裏付けることとなった。だから、公にせずに隠していたいことだったのだろう。

千葉の地元では闇に葬られていたが、犠牲者側の香川県の有志の人達によって真相究明が行われ、慰霊碑も作られた。

そして今回、100年目になって初めて当時の現地、現千葉県野田市がそのことを認め弔慰を示したのだ。

NHKのニュースが流れた今日は、辻野弥生 氏による福田村事件」という書籍の発売日だ。偶然だろうか。それとも何か意図があったのだろうか。


この書籍は2013年に一度刊行されたものの、すでに絶版になって久しいという。その後、復刊の話が持ち上がり、更には森達也 映画監督の初の劇映画として制作されることになった

最近 佐藤章 氏が YOUTUBE 動画でこの書籍を紹介してくれた。


上の動画のBGMは 中川五郎「1923年福田村の虐殺」である。2009年に発表された20分以上に及ぶ長編曲である。歌詞が表示されるので、興味ある人はこの動画で聞いてみて欲しい。この歌詞で事件の詳細がわかる。




森達也監督の映画、「福田村事件」にはスポンサーが集まらず、クラウド・ファンディングでの予算確保での製作となった。こちらは関東大震災100周年になる9月1日に公開される予定だ。

映画「福田村事件」予告編



それにしても今朝のニュースによると、弔慰を示したのは「野田市」という抽象的な存在なのだ。市長とも、市議会一同とも、市民とも、あるいは加害者の親族とも示されていない。 どうやら、いまだに誰も責任を感じていず、反省もしてないけど、今回ご紹介した書籍と映画で注目を浴びることになることを予見してこのように謝罪もせずに抽象的な「弔慰」で予防戦を張っておこうとしてのことなのだろう。

管理人は中川五郎が歌う「1923年福田村の虐殺」を聞いてこの事件について知ったのだが、とても衝撃的だった。 その後、管理人はこの歌を広げるためにできることをやってきたつもりだ。

事件100周年を迎える今年、書籍の復刊と映画が公開されるのは非常に画期的なことだ。書籍も読んで、映画も見て、より知識を深めたいと思っている。

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August 18, 2022

銀河鉄道999を2本続けて見た!5

godiego shin mix

今、日本のアニメ映画の歴史に残る作品、「銀河鉄道999」とその続編、「さよなら銀河鉄道999ーアンドロメタ終着駅」が 現代のハイテク技術を加え、 4K リマスター版として上映されている。今日まで栃木県小山市の駅ビル内の映画館 シネマロブレ で上映されていたので、最終日、2本続けて見ることにした。

 
僕は銀河鉄道999 を1979年の封切り時、15歳の誕生日前後に映画館で見たのだが、主人公、星野鉄郎がちょうど15歳の設定に変えられていたということは大人になってから知った。 それ故にこの映画には愛着を強く感じたが、そんなことより、何よりも、僕が当時この映画を見に行った最も大きな理由は、テーマソングをゴダイゴが歌っていたからである。当時から僕はゴダイゴファンだし、兄弟も僕の影響を受け、また、従兄弟もファンだったので夏休みに一緒に見に行ったと思う。

2年後に続編、「さよなら銀河鉄道999ーアンドロメタ終着駅」が公開されたときはゴダイゴが歌を担当していなかったが、なんとなく続編だからという単純な理由で見に行ったと思う。 こちらの方のエンディングはゴダイゴではなかったが、メアリー・マクレガーというアメリカ人歌手が英語で歌っていたのでシングルレコードを買って何度も聞いて、今でもだいたい歌詞を覚えている。僕の脳内ではほとんどゴダイゴの曲と同等の存在感になっている。

さて、内容はというと、高校生の時に映画館で観た切りでその後全然見ていないので、殆ど覚えていない。原作漫画も、当時 掲載されていた少年キングはたまにしか見ることがなかったので、全体の流れはわからなかった。

そういう状態でそれぞれ43年、41年ぶりに2本続けて見るのはとてもワクワクした。

映画館は90人で一杯になるくらいの小劇場で、20人くらい一緒に見たが、30代以上の人ばかりだったと思う。僕と同世代の人の割合も高かった。子供は一人もいなかった。

「銀河鉄道999」ゴダイゴの歌が流れるシーンをネットでは何度も観ていたが、大スクリーンで高画質で見れたのは格別に気分が良かった。

ストーリーは機械の体にしてもらって永遠の命を得るために宇宙に出るというくらいしか覚えていなかったが、2時間の長編映画ともなると、内容はなかなか複雑で、深い。大人でなければ理解できない部分も多いと思った。今回見て、ようやくその意味が掴めたと思う。終盤になると、訳も分からず要所要所で涙が出てきた。ゴダイゴのテーマソングが流れる前の段階で絶頂になり、ゴダイゴの歌を聞きながら徐々に落ち着くことができた。

「さよなら銀河鉄道999ーアンドロメタ終着駅」の方は、内容については一つも記憶がなかったので、初めて見る気分で楽しんだ。 エンディングは前作と同じく主人公鉄郎メーテルのお別れなのだが、シチュエーションが真逆なのが興味深かった。エンディングの曲、SAYONARA の部分だけ唯一おぼろげに記憶に残っていたので、あの頃の気持ちに帰ってなつかしかった。





映画を見た感想を簡単に述べたい。

機械の体を得て永遠に生きられるようになると、寿命が来ると死んでしまう普通の人間が哀れな存在に見えるようになる。まるで今の人間が、寿命が短い犬や猫に対して抱く感情とあまり変わらなくなる。 そして、機械人間の権力者は人間狩りなどという恐ろしいレジャーを楽しむ。機械人間、要はロボットとかサイボーグなのだが、それらが人間を支配するようになる世界を描いているのだ。

人間が建物を構成する一つのネジにまで変えられてしまう世界である。心を持った、生きた部品だ。

現在、ロボットとAI、人工知能がかなり進歩してきて、いずれロボットが人間を支配する時代が来るのではないかと心配している人もいると思うが、40年以上前にこの映画でその問題点に子供たちの目を向けさせた。

この随分後に登場するハリウッド映画、ターミネーターなどとも共通する世界観があるのではないかと思う。

もう一つ、この映画で注目したのは人間関係のつながりである。映画ではぼんやり仄めかされてばかりだったが、結局はロボット中心の世界の中にあっても「血は水よりも濃い/Blood is thicker than water」という血縁関係の強さを考えさせてくれた。

最後に一つ、どうしても書きたいことがある。それは、この両映画ともに別の漫画の主人公、キャプテン・ハーロックエメラルダスが活躍し過ぎである。鉄郎メーテルがピンチになる度に彼らが登場して助けてくれるのだ。前後の脈略も乏しい状況で突然、正義のヒーローのように現れる。 僕はこの両方のキャラクターの原作も全然知らない。銀河鉄道999の重要登場人物としてしか分からない。

これからこの映画を見る人は、銀河鉄道999 そのものよりも、「キャプテン・ハーロック」「クイーン・エメラルダス」を見ておく方が、より内容理解の一助になるかも知れない。



2本続けて 約5時間、銀河鉄道999を通して見たので前後のつながりがとても分かりやすかった。 時間がある人にはオススメである。

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銀河鉄道999 二本続けて見るぞ!

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小山のシネマロブレでアニメ映画 銀河鉄道999 と続編 さよなら銀河鉄道999 を今から見ることにした。 本来の予定では見られなかったはずだが、予定上の勘違いがあって見れることに気が付き、時間もちょうど良かったので 今、劇場の前で見ることに決めた。今日が最終日だ。1回で二本続けて見ることができると思ったのだが、その考えは甘く、それぞれ鑑賞券をネットで購入した。

合わせて3600円。 

15歳の時にロードショーで見て以来だから、何かの縁だし、決して高くはない。 ちょうど、大人になって見たらどんな感想を持てるか気になっていたところだったので。

機械の体を手に入れるために宇宙に行ったのではなかったか?

これら二本を続けて見るのは初めてなので、じっくり腰を据えて見たいと思う。


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February 26, 2022

シークレット・ガーデンにソン・イェジンがカメオ出演してた!

시크릿 가든に손예진が出演してた!

韓国ドラマ、シークレット・ガーデン/시크릿 가든の最終回に一流女優、ソン・イェジン/손예진がカメオ出演したシーンを見つけた!本人役で出演してる!
SYJ


文字起こしはこちらでご覧ください。




このシーンのセリフが紹介されています。


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January 07, 2022

海外版「キタキツネ物語」の英語挿入歌

OST English Version of "Glacier Fox"

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僕が大好きな ゴダイゴ/Godiego が音楽を担当したサンリオ/SANRIO のドキュメンタリー映画、「キタキツネ物語(THE GLACIER FOX)」(1978年)。この映画は日本国内での大ヒットにとどまらず、世界へ飛び出した。同時にゴダイゴの音楽も飛び出したのだ。ドラマ「西遊記」がイギリスでも「MONKEY」として人気を博して世界的ヒットを成し遂げる前にゴダイゴの音楽が最初に世界に飛び出したのがこの映画とサウンドトラックだったのではないだろうか?

「キタキツネ物語」の挿入歌は全て日本語だが、ゴダイゴ特有の作曲方法、英語の詩に曲を付けて完成したあとに歌詞を日本語に訳すという定石どおりに作られた。しかし、残念ながら当時のゴダイゴによる英語バージョンは存在していない。(一部テレビやFMラジオでライブ演奏されたことはある)

海外で公開されたバージョン(英語タイトル "The Glacier Fox")では全ての曲を外国人が英語で歌っている。演奏はほぼ同じ様だ。(この映画が「西遊記」よりあとに作られていたらきっとゴダイゴのバージョンが聞けただろうな〜)昔、テレビで放映されたとき、音声多重放送で副音声では英語版を流していた。当時その副音声をラジカセのTV音声で聞きながら挿入曲の英語バージョンを録音して聞いたのであった。

その海外版の英語曲をご紹介する。YOUTUBEでまず見つけたのが、テーマソングの「赤い狩人」。日本でも町田義人によって大ヒットしたので、おなじみの曲だと思う。
オープニングとエンディングの2種類がある。

オープニング

エンディング


そして、ゴダイゴが担当した部分の曲の英語版もある。

Good Morning World

他の曲メドレー(みんなみんな不思議だね〜小さな翼〜ビッグ・アドベンチャー)


 

そんな中、「キタキツネ物語」のサウンドトラックが新たに登場した。(↑右)そこには正規版(↑真中)ではボーカルが他の歌手になってしまった朱里エイコのバージョンが収録されている。

英語版 映画のフル・バージョンも画質は良くないが、YOUTUBEで見ることができる。英語を聞くだけなら十分楽しめる。


それにしてもこの映画、海外版のDVDやサウンドトラック、入手できないものだろうか。

実は3年前にも同じような記事を投稿したのだが、最近アクセスがあったので、11年前(2011年1月)の投稿を再編集した。URLも変更した。



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January 15, 2021

陰謀論とは何か?米大統領選挙

去年の11月に米国の大統領選挙が行われた。 共和党の現職、ドナルド・トランプ大統領と、民主党の候補、ジョー・バイデンの間での一騎打ち。

ドナルド・トランプが大統領になったときの異常な状況を知るまではアメリカの大統領選挙にはあまり興味がなかった。

マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画、「華氏119」を見て、トランプ大統領が投票日当日には完全に相手のヒラリー・クリントンに負けていたのに、深夜になって突然逆転勝利し、トランプ自身、勝利のスピーチも用意していなかったということを知った。

大統領当選祝賀会に冴えない表情で登場したトランプ大統領
Trump Won

このことに関しては、不正選挙だ、ロシアがサイバー攻撃を仕掛けたとか、色々な噂が飛び交ったのだが、ともかく、トランプ大統領が誕生したところから、俄然、興味が湧いたので、今回の大統領選挙には注目した。

今回は現職大統領が、民主党候補、ジョー・バイデンに僅差で敗れるという結果が出たが、それをトランプは受け入れずに、大統領選挙に不正があったと主張して票数を再集計することを主張。大統領就任式を数日後に控えて、国会議事堂での暴動が起こったりしている。この暴動はトランプ支持者たちが起こしたと日米のメディアでは騒がれているが、実は暴動を先導したのはトランプ支持者たちのデモに紛れ込んだ、反トランプ派の人たちだったということが分かった。ちょうど今日、アンティファという組織のメンバーがFBIに逮捕されたばかりだ。



にもかかわらず、今、トランプ大統領を支持することを言うと、「君は陰謀論者か?」と冷たい目で見られそうである。なぜなら、僕のツイッターのタイムラインを見ると、トランプに肯定的な意見をつぶやいているのはごく一部の人たちで、普段から自民党を批判したり、れいわ新選組を応援している人達もほとんどがトランプを悪者扱いしている。だから、怖くてこのことを近くの人とは話しづらい。まだ自分が相手を説得するほどには分かってないから。

なので、ここで他人の力を借りたい。「陰謀論」とは何なのか。フェースブックで意見を発信し続けている映画監督、太田隆文(原発事故後の日本の姿を描いた「朝日のあたる家」や最近では「沖縄戦」というドキュメンタリー映画が話題になった)が、陰謀論の本質について書いてくれているのでそちらをご紹介したい。
陰謀論という言葉。どのような効果があるか?=なぜ、日本で浸透したのか?

ケネディ暗殺の後に「オズワルドは犯人ではない!」と、いろんな説が上がった。それを押さえ込むためにCIA が作ったが「陰謀論」という言葉。実に見事。例えば「本当の犯人はソ連だ!」「いやいや、CIAが黒幕だ!」と議論していても「それって陰謀論だよ。君たち陰謀論者なの?」と言われると話が終わってしまう。

陰謀論者ーありもしない陰謀をあれこれ考えて、妄想すること。常識ある人は相手にしない下らない説を振り回すという意味。相手の推理を陰謀論とレッテルを貼ることで、相手を愚か者と決めつける。「俺は常識ある大人だからね〜」と勝利の気分で去って行ける。残された者は馬鹿にされて屈辱、次第に議論しなくなる。

まさに、それを狙ってCIAは「陰謀論」という言葉を作ったのだ。いわゆるレッテルと同じ効果。日本で言えば戦時中の「非国民」「アカ」「売国奴」、最近では「反日」「アベガー」「パヨク」等、政府に対して都合の悪いことをいう人たちにレッテルを貼り、貶めて、卑屈な思いをさせることが目的。「陰謀論」も同様。日本でも普及。現在もよく使用される。

なぜ、日本で定着したか? 日本では「考える力」を育てる教育をほとんどしない。与えられたことを確実にする大人を育てるのが学校の目的。そのため大きな事件があっても、政治問題があっても、深く考える人が少ない。事件や政治の裏にはいつも隠された事実があり、国民に大切なことでも隠蔽されがち。もし、そこで「あの事件は裏がある!」と誰かが言い出す。でも、考える力のない多くの日本人はあれこれ想像できない。

「**政権の計略だ」「総理の策略だ」と言っても、ピンと来ない。「お前、そのくらい分からないのか?」「政治に関心持てよ!」とか言われて悔しい。だが、天下の宝刀がある。あの言葉だ。あれこれ言われてもこう言えばいい。「それって陰謀論だよ。君たち、そんなこと信じているの?」と言えば一気に形勢逆転。「バカなことを議論している人」と「世間を知り、良識のある人」という設定に変わる。何も考えずして、小難しい議論を全否定し、優越感に浸れる。それが「陰謀論」という魔法の言葉だ。

本来、「陰謀」と批判するなら、否定する材料や理屈を用意しなければならない。が、「陰謀論」という言葉を使えば、その努力がいらない。無知でも大丈夫。だが、政治に陰謀がない訳がない。それを知っていればそんな言葉は使わない。見ていると、やはり「考える力」が弱い人。想像推理するのが苦手な人。もっと分かりやすくいうとアホな奴ほど「陰謀論」という言葉を使っている。CIAは本当に見事な言葉を作り出したものだと感心する。

現在トランプ大統領を批判している人たちの中にも 2001年の同時多発テロケネディ大統領暗殺が陰謀だったと認めている人も少なからずいるのではないだろうか。そのような人たちは、自己矛盾に気づくべきだ。
もし、仮にマイケル・ムーア監督が映画で仄めかしたように、トランプ大統領自身が不正選挙で勝ったとするならば、彼は不正選挙のことをよく知っているはずだ。

トランプ大統領が不正選挙で勝った可能性があるのなら、今回のバイデン「次期大統領」が不正選挙で勝った可能性だって否定できないはず。

僕はそもそもアメリカの大統領選挙に不正が無いとは一度も思ったこともないし、日本の選挙についてもそうだとここに記しておく。




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October 07, 2020

ジム・キャリーのトゥルーマン・ショー

Truman Show Poster

昨晩、映画、「トゥルーマンショー/The Truman Show」を観た。日本公開時に一度映画館で観た記憶があるが、Netflix にあったのでもう一度観てみた。

この映画は一人の人間が、生まれたときからの(ドキュメンタリーならまだしも)人生そのままが巨大なリアルなスタジオの中でのTVショーとなってしまっている設定。



主人公、トゥルーマン・バーバンクは幼い頃に海か川で恐ろしい事故に遭って、自分が住む街から橋を渡って出ることが怖くてできなくなった。船に乗って海に出ることもできない。決められたエリアの中に押し込められて、周囲の一般人、職場の同僚、友人、家族まで俳優の街で生活しているのだ。



公開された1998年当時、僕が映画、MASK/マスク を見て気に入った俳優、ジム・キャリー/Jim Carrey 主演の映画だったという理由で観た。当時はとても面白いコンセプトだと思って純粋に娯楽作品として楽しんだ。

次の動画は夫婦で家にいるときに突然妻がテレビCMを始めて、主人公、トゥルーマン/Truman がその不自然さを不審に思い、妻に追及するシーンである。



スマホが普及した現在に再び見ると、何かとても怖いものを感じる。

この物語の主人公は生まれたときから俳優たちの演技によって育てられ、俳優で一杯の街でディレクターが作ったシナリオ通りに、周囲に誘導されながら恋をし、結婚もし、仕事をしている。その一部始終が、世界的ネットワークを誇るようなテレビ局によって、街中や室内などあらゆるところに仕掛けられた数千台にも及ぶ隠しカメラで撮影されて世界に放映されている。24時間休みなく継続するテレビ番組なのだ。


アメリカ中の人々がこの超リアルな、人生ライブ放送に釘付けになっている様子が描かれる。

その中で唯一、少しだが描かれる非英語圏の国が日本なのだ。(なんか象徴的だと思うのは僕だけ?)

Truman Show Japanese

当時はスマホはまだ未来物語の映画の中にしか存在しないようなモノだった。せいぜい携帯電話が普及し、NTT DoCoMoi-mode がもてはやされてた頃だったのではないだろうか。

しかし、今は大多数の日本住民を含むいわゆる先進国の人々は嬉々としてスマホを持ち、自分の居場所を晒し、見たもの、聞いたものを自慢するかのごとくインターネット上で共有している。

ある意味、現実世界の上で国民総トゥルーマン化に自ら参加して喜んでいると思えるのだ。もちろん、管理人もその一例である。

更に世界中の大都市では防犯の名目であらゆるところに監視カメラが設置されようとしている。

しかし、このことにより喜ぶのは誰なのか?自己顕示欲が強い人や、今流行りの「リア充」の人たちは満足しているのかも知れない。

しかし、そうでない、偽装「リア充」や、願望者もいるんじゃない?

いずれにせよ、今、自分のプライバシーを何も考えずに共有している人たちが多過ぎると思う。

進んで共有しておいて、個人情報が漏れたからって苦情を言うのもどうか、と思うところも僕にはある。(個人情報漏洩事故が度重なっている、大企業ほどよくあるが、謝罪文は飽きるほど見たり聞いたりするけど、誰か責任とったのか?という疑問もある)

自由とか、フリーとかいうものには、どうしてもネガティブなことを覚悟しなければならないと思う。この資本主義、自由主義社会の中で無料で得られる自由には必ずその代償が伴っているのだ。

多くの人々が、自ら進んで自分の居場所、興味あること、好きな食べ物、好みのファッションなどを知らせているので、自由を謳歌できて満足感を得ている人もいるかも知れないが、これってある意味、個人情報だと思う。個人情報をどんどん世界に共有していいのだろうか?

この映画の主人公は個人で生活をエンジョイしているように思っているが、実はすべて世界の人々の目に晒されているのである。

最後のシーンでは勇気を振り絞って海を渡って外国へ行こうとするが、そこは単なるスタジオ内であったという理由によって実現せず、何とも悲しい結末を迎えることになるのだ。

僕は日本の住民全てがこの映画の主人公、あるいは脇役になりながら、お互いを傷つけ合っているのではないかという疑問を感じるようになった。

そして、この状況に喜んでいるのはやはり、モノを作って売って個人情報を得て、その情報を参考にして更にモノを作って売ってどんどん儲ける大企業と資本家だと思う。全ての一般人はその企業のために働き、人生を消費していく。

僕らはそれで幸せだと感じているならそれでいいだろう。この世界はそのように回っている。しかし、このことを皆が意識して世の中を見るだけでも世界は少しはより良く変わるのではないだろうか。



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April 26, 2020

すべての政府は嘘をつく、メディアもね。

All Governments Lie title

すべての政府は嘘をつく/All Governments Lie という映画がある。オリバー・ストーン/Oliver Stone 監督の総指揮の下で製作され、2017年に発表されたドキュメンタリー映画。


この映画では、1920〜80年代にベトナム戦争をめぐる嘘などを次々と暴いて活躍した米国人ジャーナリスト、I.F.ストーン/I. F. Stone の信念「すべての政府は嘘をつく/All Governments Lie」をベースに、米国政府を中心に世界で堂々とつかれた嘘について紹介し、検証する。そして、メディアがどんな役割を果たしたかも。

いくつかのシーンの日本語吹き替えスクリプトとその映像をご紹介する。映像はツイートの最後のリンクをクリックすれば視聴できる。

 嘘をつくのは政治家の本質から当然である。




 メディアは政府と大企業の側なので、それに逆らう記者は出世できない。


政府は嘘でごまかすのは得意ではない。文書がカギ


どうだろう?僕はこの内容が今の日本にもピッタリ当てはまると思う。

こちらのアマゾン・プライム・ビデオでも視聴できる。






paul83 at 07:21|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

February 23, 2020

映画 レ・ミゼラブルに感動!

アマゾン・プライム/Amazon Prime で見ることができる映画の中に、「レ・ミゼラブル」があったので、見た。最後の部分は泣きながら見入ってしまった。

この映画は、ビクトル・ユゴーの小説を原作にしたミュージカルで、かつて日本では「ああ、無情」というタイトルで知られていて、僕は小学生の時分に小学生向けの小学館雑誌の連載で読んだことを記憶している。 ただし、その記憶だけ残っていたのは、パン1個を盗んだばかりに一生警察に追われて大変な主人公の物語だということ。

そして、2012年にミュージカル作品「レ・ミゼラブル」となって蘇っていた作品が映画化され、当時個人で教えていた英語スクールの学生が、その挿入歌、「民衆の歌」を教えてほしいと言ってきた。

だから、ユーチューブで探して教えた。この歌の歌詞は、生活苦にあえぐ民衆を戦いへと導く歌詞である。その歌詞と動画は、このプロテストソングのサイトで味わってほしい。

そして、その映画をついに今、見終わった。

「民衆の歌」をはじめとして、革命後に再び王政が続いたフランスの、民衆の苦しみが描かれて、戦いへの至るプロセスとその後がドラマになっている。
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パン一個を盗んで19年間も奴隷のような懲役を過ごし、危険人物として仮釈放された主人公、ジャン・バルジャン。彼は釈放されてすぐにキリスト教の教会の神父さんに救われるが、その教会の銀の器を盗んで逃げ出したが、神父はそれを許し、警察に捕まってきた彼を助けた。 彼の一生はこの、慈悲の心により改心される。

その反面、ジャン・バルジャンを逮捕した警察官、ジャベールは、その任務への忠誠心から、ジャン・バルジャンを一生追い詰め続ける。

主人公、ジャン・バルジャンはそれ故に息苦しい生活を余儀なくされるのだが、この映画で同時に描かれるのは、若者たちの革命だ。 政府軍の充実した武力に簡単に屈してしまうのだが、その青年たちの怒りと、軍人たちの任務遂行のための冷酷さが鮮やかに浮き立たされていた。

僕が思うのは、時代は違い、環境も改善されて、科学も発展し、生活も豊かになったけれども、当時の権力層と一般庶民の関係は、相対的には変わっていないのではないだろうかということだった。

今の日本って、まさにその状況まで急速に近づいてきた様な気がする。となったら、誰かが先頭に立って「民衆の歌」で国民を立ち上がらせるしかないのでは?




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February 18, 2020

韓国映画 パラサイト 半地下の家族

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韓国映画の「パラサイト〜半地下の家族」がアカデミー賞の作品賞を含めた4部門を受賞したときいて、嬉しさも相まって、さっそく見に行ってきた。これは、日本のテレビでの紹介動画である。




タイトルは 英語の PARASITE をカタカナにしたものであり、その意味は「寄生虫」、そして「居候」という意味にまで発展している。 この映画の韓国語の原題は、「기생충(きせんちゅん」で、日本語に直すと、まさに「寄生虫」なのだ。貧しい家族がお金持ちの家族に寄生する様を描いた映画である。

主人公は半地下アパートの貧しい失業者ファミリー、キム家の旦那で、今や韓国の映画には欠かせないビッグ・スター、ソン・ガンホが演じる。そして「コーヒープリンス1号店」をはじめ数々のドラマで日本でも人気が高いイ・ソンギュンが、IT企業のパク社長というお金持ちの側の代表に扮している。

ストーリーは、頭脳明晰ながら貧乏が故に良い大学に入れなかったキム家の息子が、あるお金持ちの家の高校生に英語を教える家庭教師の話を友人から持ちかけられてその家庭教師になるところから始まる。その後、その高校生の弟である小学生少年の美術の家庭教師、パク社長の運転手、そして家の中の女中を自分のキム家ファミリーで、それぞれ別人として任されるように持っていく。ここまでがキム家のサクセスストーリー的なイントロで、この後がドラマの本番、本編だと言える。

どれだけ、この偽装した居候がファミリーとして稼いでいけるのか。このような状態を維持していくのは簡単ではない。大人はだませても、純真な子供や、本能で生きているペットはごまかし様がないのだ!

あとはネタばれにならないように、これ以上書くのは遠慮したいと思うが、ひとつだけ書いておきたい。

主人公のキム一家が住む「半地下」の住まいは、元々は防空壕や、ボイラーの収納に使うために作られたスペースである。そのスペースが、韓国の高度成長時代に、半分不法な、格安住居として大々的に活用されたというのがルーツであり、今は減りつつあるが、貧乏世帯を象徴する家だと言える。アパートの屋上に作られた「屋塔房」も似たような経緯でできたものだ。

Half Basement House


この映画では大雨のために主人公が住む半地下のアパートの周辺が大洪水になり、半地下住居の悲惨な描写が生々しかった。そして、次のシーンは避難所。なんと、日本と同様に、避難家族は体育館にまとめて集められて、床の上で集団雑魚寝である!韓国もこの点は日本と変わらないのだということに、半分納得、半分失望であった。こういうところも似てるんだなぁ。

この映画は絶対に見て後悔はしないと思う。今、日本でも公開中だから見ておいてね!

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September 28, 2019

韓国メディアの闘い「共犯者たち」

韓国ドキュメンタリー映画 共犯者たち

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共犯者たち/공범자들/Criminal Conspircacy この映画は2017年、韓国で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した直後に韓国で公開されたドキュメンタリー映画。韓国の主要テレビ局、KBSMBCで、当局に反発したために追い出された記者たちの物語。

ここで当局とは、2008年に登場した李明博(イ・ミョンバク)大統領の政権から、その流れを継承して2013年に誕生した朴槿恵(パク・クネ)大統領までの9年間に渡る政権である。

政権発足の2ヵ月後には米国から輸入した牛肉がBSEに感染していることがテレビや新聞で大々的に報道され、今の韓国での市民運動の形として定着したロウソクデモが大規模に行われた。最終的に大統領は謝罪をすることに。政権としては大きな痛手を負うことになった。

これに懲りた大統領は、メディアへ露骨に介入し始める。

政府に反抗的な報道番組は打ち切られ、関係した記者は左遷されたり解雇された。社長も政府の言うとおりに動く人に換えた。

KBSでも、MBCでも、記者魂を持った良心的な記者たちは一丸となって反抗する。その主な形態がストライキだった。期間は最短でもKBSの29日。最長はMBCがなんと170日間という最長記録を作った。ストのたびに責任的な地位の記者は解雇や左遷という憂き目に会っている。

そのように解雇された記者の一人、MBCで「PD手帳」という報道番組を牽引した記者、チェ・スンホが監督としてこの映画を作った。彼はMBC退社後、非営利報道機関、ニュース打破/뉴스타파 に入り、様々な取材をしながらこの映画撮影を同時に進行した。ところどころ、アメリカのドキュメンタリーの第一人者、マイケル・ムーア監督のような、アポ無し突撃取材も見ることができる。インタビューの質問は相手に都合悪いことなので、決してまともに答えてはくれないのだが。その中でも圧巻は、映画撮影がほぼ完了した最後に、元大統領の事務所前で4年ぶりにアポ無し取材に成功したことだ。チェ・スンホ記者は、「マスコミを破壊した主犯だという批判についてどう思われますか?」と質問を投げた。ここで「主犯」という言葉が使われるが、この映画のタイトルである「共犯者たち」は政権の意図通りの報道しかしない、御用メディアになり下がった2大テレビメディアということだ。

寄付で運営されているニュース打破のサイト

この映画では、政府の意図によって送られてくる社長や役員を辞めさせるための戦いや、大統領のセウォル号事件のときの問題も登場する。その様子を通して、KBSMBCの記者たちは彼らの記者魂を存分に見せつけてくれる。中でも面白かったのは、一人の記者がフェースブックで「○○○社長は辞めろ」というコールをする姿を生配信する。家族が心配し、それを一人でやってたらただの変人になってしまうと忠告した。その忠告を受けて、考えた記者は、なんと、テレビ局のロビーで、自分から始めて、大勢の記者たちが彼と同じことを始め、お互いに撮り合う、大きなSNS上の運動を起したのだ。このシーンは一見の価値がある。

この映画はメディアが政権側に付いたとき、国家は大変なことになり、国民の知る権利が侵害され、権力者が思いのままにできるということをありのままに見せてくれる。

エンド・タイトルにはこの期間に政府に反発して不当逮捕や不当懲戒されたテレビ記者、関係者の名前が延々と流れる。その人数に圧倒される!

翻って日本では、主要放送局の社長や役員が総理大臣と食事をするような状況。日本も李明博朴槿恵 両政権が歩んだ同じ道を歩んでいるのだ。

日本には韓国のように記者魂を持った記者がいるのか、いないのか。もうそれはすでに明らかなようだ。もう2日後には消費税がアップしてしまうが、テレビでは消費増税に反対する意見はほとんど聞かれない。ツイッターで藤井聡氏が消費増税についてキレている映像が出回っているが、それが奇異に映ってしまうほど、一般の視聴者は洗脳されているのかも知れない。これが僕の思い込みに過ぎないことを願っている。

日本のメディアよ、韓国のタマネギ男について騒いでいる余裕があったら、この映画でも見て反省しろ!
kyouhanshatati

YOUTUBEには、一時ネット公開された動画が誰かによってアップされている。字幕なしでも見たい人は削除される前にご覧あれ!



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August 17, 2019

「主戦場」観て慰安婦問題について知ろう!

慰安婦ドキュメンタリー「主戦場」
The Main Battleground of The Comfort Women Issue
주전장/ 주 전쟁터

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今、話題の映画、「主戦場」を見てきた。この映画は日系アメリカ人のミキ・デザキ/Miki Dezaki 監督による、従軍慰安婦についてのドキュメンタリー映画である。以前から見たいと思っていたがようやく日時の都合がついて、渋谷で見ることができた。

映画の内容は、従軍慰安婦があったと主張する著名人と、それを否定する著名人たちの言葉を編集してつなげた言論バトルである。著名人には日本人、韓国人、アメリカ人の肯定派、否定派の人々がそれぞれ登場する。映画のポスターに写っている人々が登場人物のほとんどである。総勢27人が登場して自説を主張し続ける。

従軍慰安婦の存在を肯定する人の意見と、否定する人の意見を交互に映し出しながら、どちらが本当なのかという思考を観る人に促しながら、小気味良く映画は進んでいく。

代表的なのは、否定派では櫻井よしこ杉田水脈ケント・ギルバート(当然英語でしゃべってる)、テキサス親父の藤木俊一。肯定派では歴史学者の吉見義明、憲法学者、小林節慰安婦記事を初めて書いて後で捏造と批判され、脅迫までされた元朝日新聞記者、上村隆。他にも韓国とアメリカの著名な論客が多数出演する。
主戦場2



映画には論客の語りと共に、安倍首相の国会での発言や、米国内での慰安婦像設置における対立、韓国内での慰安婦についての運動の様子など、発言を裏付けたり、異議をとなえるための資料映像もふんだんに挿入されている。ネット上で話題になった、アメリカ・サンフランシスコでの慰安婦像設置の議論の場で、元慰安婦女性がいる前で彼女を侮辱した日本代表に対して「恥を知れ/Shame on you」と言うこの映像も登場する。

最後まで見終わったらどう感じるだろうか。こればかりは観た人次第であるが、僕は飽きることなく見て、学ぶことができた。

僕は大戦中に日本軍に朝鮮人女性が従軍慰安婦として動員され、惨い仕打ちを受けてきたと学校でも、両親からも教えられてきたので、自然に僕の心の中に当然の事実として横たわっている。しかし、日本では「慰安婦は職業的な売春婦だった」強制したという記録はない新聞記事は捏造だった、など、慰安婦について否定する意見が大手を奮っている。このような主張に接したときに僕はしっかりと相手の考えを覆せるだろうか、自分の意見を堂々と主張できるだろうか?こう考えると、どうも心許ない。その頼りない自分を補強したかったので、この映画を見ることにした。

これはその目的を果たしてくれたと思う。肯定派、否定派の両方の代表的な意見を聞いて、最終的に、従軍慰安婦は存在したという事実を確信することができた。

速いテンポで進んだこの映画、内容を消化するためにはパンフレットを買うべきだと思った。僕と同じく、パンフレットを買って帰ろうという人が何人も入口カウンターに並んでいたのには驚いた。パンフレットには主な内容が語られた言葉通りに掲載されていた。

主戦場 パンフ

「主戦場」を通して、従軍慰安婦制度はあったのか。日本軍の関与はあったのか。慰安婦は何人いたのか。慰安婦性奴隷だったのか。このような問題の答えを見出すことができると思う。

韓国で製作された従軍慰安婦に関するドキュメンタリーは、元慰安婦の女性から話を聞いていくというのが普通だが、この作品では元慰安婦の女性は、最初のところで少し登場し、最後、締めくくりのところでサプライズのように一人登場する。もちろん、この映画のために撮ったものではなく、既に惜しくも亡くなられた方の過去に撮影された映像である。しかし、最後のシーンでは驚きと同時に、目頭が熱くなってしまった。ドキュメンタリー映画でこのように感動するとは思ってなかった。

慰安婦についての議論の間に挿入された解説も、画期的な内容が多かった。

現代史の授業を通して日本の植民地時代について詳しく学んでいる韓国の若者と、慰安婦ということば自体を知らない日本の若者。これについては、1997年から歴史の教科書に「慰安婦」のことが書かれるようになるが、2006年以降、全ての教科書からその言葉が削られた経緯が解説されている。

また、終戦後にアメリカがA級戦犯として巣鴨プリズンに収監されていた、安倍首相が尊敬して止まない祖父、岸信介を釈放し、アメリカ政府の代弁者に仕立て、日米安保条約を締結させ、自民党を創設させたこと。
日本での神道の位置づけと、1970年代にA級戦犯も一緒に祀られるようになった靖国神社に参拝することは、戦前の日本帝国を復活させることを願う行為なので、問題になっているということ。

神道関連組織として日本会議があり、安部政権のほとんどが日本会議の会員であること。

また、靖国神社に旧日本軍のコスプレをして大きな旗を翻しながら更新する右翼連中の様子もしっかりと紹介されている。

この映画を観る事によって、安倍首相が言うところの「おじいさんの遺志である改憲」というのは、とりもなおさず、「再軍事国家化」であるということを推し量ることができる。

最近、名古屋の「表現の不自由展〜その後」で問題になった慰安婦像(平和の少女像)まで、出番を待っているといいながら紹介された。

この映画を作り始めたとき、ミキ・デザキ 監督は大学生だった。「主戦場」は大学の卒業作品ということになった。この映画のためにインタビューに答えた慰安婦否定の論客たちから、不満が噴出しているというので、監督自身が自身の潔白を示す動画をアップしている。

最後に、これは映画を見ながら思ったことだが、慰安婦の犠牲者に謝罪するということはどんなことか。言葉で「申し訳ない」と言って、さらにお金で補償すれば終ることなのだろうか?いや、違う。慰安婦の存在を認め、後世に伝えていくことが大切なのだ。慰安婦問題に限らず、戦時に日本軍が犯した戦争犯罪の数々を後世に伝えることである。

しかし、現在の政権与党、自民党には安倍首相を筆頭に、A級戦犯の血筋を持つ人々が権力を握っているので、不名誉で不都合な過去は無かったことにしようとしている。教育でも、今は愛国心を損なう内容を教科書に含めると、検定で落ちてしまうので、教科書出版社は安倍政権に都合の悪い内容は含めないようにしていて、実質国定教科書のようになっているそうだ。だから、若い世代は日本の加害者の立場での戦争史を学べない。

これこそ韓国の国民が納得しない主な理由のひとつなのだ。だから反安倍なのだ!
主戦場




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December 15, 2018

安倍政権の横暴 水道民営化(華氏119を見て)

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安倍政権になって、消費税の10パーセントへのアップ、秘密保護法案や移民法改正法案など、国民にとって負担が増える法案の強行採決ばかり続けられている。そして最近は国民の命を直に左右する水道法が改正された。

そして先日は岩手県のペンション村として知られる雫石町で問題が起こった。ここは最初から水道が民間企業によって始められたところで、おいしい水道水として知られていたが、水道ポンプ用の電気料金等を払えなくなって住民たちの水道使用継続に赤信号が灯った。突然追加料金を請求され、支払わない場合は水道をストップするという宣言が成された。( 町で水が止まる危機 住民困惑…何が?

水道民営化が可能になってしまった直後にこのような事例が現れるとはなんとも皮肉である。

世界の多くの国々で水道が民営化されたものの、問題が多くて再度公営化された事例が多いのだが、これらに学ぼうとせずに十分な審議を経ないまま通された改正水道法案は、断固としてつぶさなければならない。
Moor119

実は最近公開された、マイケル・ムーア監督によるドキュメンタリー映画、「華氏119/Fahrenheit 11/9」でもミシガン州フリント市で起きた重大な事件が紹介されていた。
ニューズウィークの記事
水汚染に対するミシンガン州の驚異的杜撰さと違反の隠匿

2010年にトランプ大統領の知り合いの大富豪、リック・スナイダーが州知事になった。2014年にはフリント市の水源を、水のきれいなヒューロン湖から汚染されたフリント川に変更した。川水が汚染されていたので、老朽化していた水道管の鉛が水道水に混入するという事態になった。そのために多くの市民が、子供たちも含めて、健康に深刻な被害を被った。

なぜこうなったかといえば、フリント市がより良い水道公社に作り替えることを決めたが、貧困層が多いフリント市ではその費用が払えなかった。そのために公社に加わらず、フリント市独自の水道事業を始めなければならなかった。

フリント市には大手自動車企業のGM、ゼネラル・モーターズ/General Motors の工場があるが、そこで使用する水も汚染されて大きな問題になったので、その工場へだけは新水道公社から水が供給されるようになった。

フリント市出身のマイケル・ムーア/Michael Moore リック・スナイダー知事の逮捕を求めて立ち上がった。黒人が多かったので、人種差別的な政策でもあると訴えた。

そして大きな訴訟問題になり、アメリカ合衆国政府的な連邦災害宣言を要求されるまでになった。そしてオバマ大統領がフリントまで飛んで行く。市民たちは大いに期待したが、オバマ大統領はコップに入れて出されたフリントの水を口に付けるだけで飲んだふりだけして、事実上の安全宣言を出して市民たちの期待を完全に裏切ってしまった。

この事例は民営化とは少し異なるが、採算重視の政策が人道的とは思えない政策を行わせたという意味で、今後の日本でも水道が民営化されたら十分に考えられる悲劇である。

この動画は映画の予告編だが、フリントの水を詰めたタンクローリーでスナイダー知事の家の前に降り立ち、放水するシーンから始まる。

これまでの水道民営化、再公営化の流れを知りながらもあえて水道民営化への第一歩を踏み出す日本政府は、間違いなく、日本国民の利益ではなく、海外のグローバル企業の利益のために仕事をしていると確信する。

水道民営化や秘密保護、TPP、消費税増税、移民法改正など、現在の安倍政権下で可決された国民を苦しめる法案を破棄するためには自民党政権を一日も早く終わらせなければならないと思う。

山本太郎VS麻生太郎 の質疑 
2017年3月 8分11秒目、水道民営化の後の再公営化の話のところから再生


こちら、森永卓郎さんの解説も聞いてください。


良心的で学識のある日本国民の皆さん、

どうか安倍政権を終わらせるために

立ち上がってください!



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August 11, 2017

海外版キタキツネ物語を発見!

レアアイテム、海外版キタキツネ物語があった!

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ついにキタキツネ物語/The Glacier Fox 海外英語版がYOUTUBEにアップされた!1978年の映像なので画質はイマイチなのだが、音声はバッチリ。これで挿入歌の英語バージョンがすべて聞けそうだ。90分もあるので、一度腰を据えて見てみたい。 9分目くらいに流れる女性による歌は日本語版とは違う。何の曲だろうか?



キタキツネ物語英語版の挿入歌シーン集 作ったよ!

ちなみに日本語オリジナル・バージョンもあった。こちらは1976年と表示されている。ということは、デビュー間もないころの仕事だったということだ。また、時間も30分近く長い。
いずれこんな日が来ると思っていたが、喜ばしいことである。



  


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