August 06, 2006
唯一の被爆国?
今日は米国が広島に原爆を投下して61年目の日だ。僕は勿論当時生まれていなかったので、当時がどんな風であったかは、テレビやビデオなどを通して知るのみだ。
ブルーハーツの「1985」
僕は日本は被曝国として世界的な核廃止に向けて、国を挙げて取り組むべきだと思っている。だが現実には、日本は核兵器を持ってはいないが、「核の平和利用」という聞こえの良い言葉で原子力発電所を稼動させ続けている。戦争が起こって、原発が空爆されたらどうすると言うのか。それこそ「大型原子力地雷」のようなものではないか。
原子力発電所を反対する運動は一時期盛り上がったが、最近は忘れられているようだ。東京電力はさりげなく原子力発電所の必要性を宣伝しているが、視聴者の潜在意識にはしっかりと<原子力発電所=あって当たり前>と植え付けられているのではないか。そんな人はこの歌の歌詞を見て欲しい。
MONJU by 朴保&切狂言
サマータイム・ブルース〜Summertime Blues by RCサクセション
ラブ・ミー・テンダー〜Love Me Tender by RCサクセション
日本の一部の識者たちは、「日本は唯一の被曝国」とよく言うが、それを肯定的にとらえて、今後の核廃絶につながる行動を起すのならよい。しかしそうなっていない現実からして、僕はこれを否定的に捉える。
日本は、敵軍によって原子力爆弾を落とされたという意味では確かに唯一無二である。しかし、より広い意味で被曝している国は他にもある。
それはアメリカが原爆実験を行なった場所だ。米国内のニューメキシコ州で、広島・長崎に先立って核実験が行なわれた。このとき多くの米兵が被曝している。戦後はネバダ州で数多くの実験があった。このとき参加した兵士が被曝したかどうかはよく分からない。これらは米国の国内被曝。他国には被害を与えていない。
他にアメリカは太平洋の島々周辺で水爆実験を行なった。1946年から1958年にかけて、マーシャル諸島のビキニ環礁とエニウェトク環礁で、合計なんと88回も、である。当時そこに住む人々はロンゲラップ島に強制移住させられた。実験で彼らが被爆したのは明らかだ。米軍は被爆の状況を調べるために、彼らをモルモットのように利用したのだ。医師が来ても島民たちの治療はせずに、髪の毛などのサンプル採取しかしなかったという。詳細はこちらのHPでよくわかる。
ここで、米国がどんなに極悪非道なことを、罪も無い素朴な人々に行なったかがよく分かる。
そんな国が今世界の中心で「戦争」を叫んでいるのだ。
他にも元ロシアのウクライナ共和国とその周辺の人々の多くがチェルノブイリ原発事故によって被爆し、住む場所から追われている。これもれっきとした被曝だ。
「日本は唯一の被曝国」とのたまう識者たちは直ちにこの表現を正すべきだ。そして、日本は非核国になる道を進むべきだと思う。 「明日無き世界」へ向かうのはまっぴらだ。
世界の全ての被爆犠牲者に哀悼の意を表します。