January 2022
January 08, 2022
傷痍(しょうい)軍人について
僕が好きでよく聞く歌に、在日コリアンのシンガーソングライター、いや、在日を代表するレゲエ・ロック ミュージシャン、朴保が歌う「傷痍軍人の歌」という曲がある。
こちらの動画で歌詞を見ながら聞くことができる。
随分前のことだが、この曲が収録された Who Can Save the World? という 朴保&切狂言 のCDを買って初めてこの曲を聞いたときまで、傷痍軍人についての記憶は完全に忘却していた。歌詞にあるとおり、まさに子供の頃のお祭りみたいな時に見た記憶が蘇った。
この記事を書こうと思ったのは、最近、大島渚監督が1963年にテレビ番組として傷痍軍人のドキュメンタリー「忘れられた皇軍」を撮ったことを知り、その映像をネットで見たからだ。そのとき頭の中にもやもやしていたものが吹き飛んで、本質がはっきり見えたからだ。
傷痍軍人とは、在日朝鮮人だったということ。
歌の歌詞には「異国の地に葬られ」との部分があるので、もしやとは思っていたが、終戦前には日本国籍になっていた在日朝鮮人は下級(?)日本人として日本軍に加わって戦場に駆り出されたのであった。国内、海外を問わずである。そして負傷しながらも生き残った日本軍兵士は政府から手厚い配慮を受けて怪我の治療に専念できた。しかし、戦後になって日本国籍を剥奪された在日朝鮮人の軍人たちは、外国人だからといって日本政府は切り捨て、何の保障もしてくれなかった。 だから、自分たちでどうにかお金を集めて生きるしか無かったのだが、これは彼らのその様子を取材したドキュメンタリーだった。
これがその映像に朴保の曲を乗せた動画である。
傷痍軍人は在日コリアンだった。だから、同じ在日の朴保がこの歌を書いて歌ったのだ。
こちらのライブ映像では間奏部分(4分40秒目)からその説明をしている。聞き取りづらいかも知れないが、この映像を見た時からおぼろげにこのことは頭の中に記憶された。
デイリーモーションで「忘れられた皇軍」を視聴できる。25分程度なのでぜひご覧頂きたい。戦争によって生まれたこの歴史的で悲劇的な事実を私達は忘れてはならないと思う。
今、ウクライナとロシアの間で戦争が行われているが、そちらでも大勢の戦死者とともに、このような傷痍軍人も日々生まれているのだと思う。こんな戦争は無くさなければならない。
January 07, 2022
海外版「キタキツネ物語」の英語挿入歌
「キタキツネ物語」の挿入歌は全て日本語だが、ゴダイゴ特有の作曲方法、英語の詩に曲を付けて完成したあとに歌詞を日本語に訳すという定石どおりに作られた。しかし、残念ながら当時のゴダイゴによる英語バージョンは存在していない。(一部テレビやFMラジオでライブ演奏されたことはある)
海外で公開されたバージョン(英語タイトル "The Glacier Fox")では全ての曲を外国人が英語で歌っている。演奏はほぼ同じ様だ。(この映画が「西遊記」よりあとに作られていたらきっとゴダイゴのバージョンが聞けただろうな〜)昔、テレビで放映されたとき、音声多重放送で副音声では英語版を流していた。当時その副音声をラジカセのTV音声で聞きながら挿入曲の英語バージョンを録音して聞いたのであった。
その海外版の英語曲をご紹介する。YOUTUBEでまず見つけたのが、テーマソングの「赤い狩人」。日本でも町田義人によって大ヒットしたので、おなじみの曲だと思う。
オープニングとエンディングの2種類がある。
オープニング
エンディング
そして、ゴダイゴが担当した部分の曲の英語版もある。
Good Morning World
他の曲メドレー(みんなみんな不思議だね〜小さな翼〜ビッグ・アドベンチャー)
そんな中、「キタキツネ物語」のサウンドトラックが新たに登場した。(↑右)そこには正規版(↑真中)ではボーカルが他の歌手になってしまった朱里エイコのバージョンが収録されている。
英語版 映画のフル・バージョンも画質は良くないが、YOUTUBEで見ることができる。英語を聞くだけなら十分楽しめる。
それにしてもこの映画、海外版のDVDやサウンドトラック、入手できないものだろうか。
実は3年前にも同じような記事を投稿したのだが、最近アクセスがあったので、11年前(2011年1月)の投稿を再編集した。URLも変更した。