September 2019
September 28, 2019
韓国メディアの闘い「共犯者たち」
韓国ドキュメンタリー映画 共犯者たち
共犯者たち/공범자들/Criminal Conspircacy この映画は2017年、韓国で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した直後に韓国で公開されたドキュメンタリー映画。韓国の主要テレビ局、KBSとMBCで、当局に反発したために追い出された記者たちの物語。
ここで当局とは、2008年に登場した李明博(イ・ミョンバク)大統領の政権から、その流れを継承して2013年に誕生した朴槿恵(パク・クネ)大統領までの9年間に渡る政権である。
李政権発足の2ヵ月後には米国から輸入した牛肉がBSEに感染していることがテレビや新聞で大々的に報道され、今の韓国での市民運動の形として定着したロウソクデモが大規模に行われた。最終的に李大統領は謝罪をすることに。政権としては大きな痛手を負うことになった。
これに懲りた李大統領は、メディアへ露骨に介入し始める。
政府に反抗的な報道番組は打ち切られ、関係した記者は左遷されたり解雇された。社長も政府の言うとおりに動く人に換えた。
KBSでも、MBCでも、記者魂を持った良心的な記者たちは一丸となって反抗する。その主な形態がストライキだった。期間は最短でもKBSの29日。最長はMBCがなんと170日間という最長記録を作った。ストのたびに責任的な地位の記者は解雇や左遷という憂き目に会っている。
そのように解雇された記者の一人、MBCで「PD手帳」という報道番組を牽引した記者、チェ・スンホが監督としてこの映画を作った。彼はMBC退社後、非営利報道機関、ニュース打破/뉴스타파 に入り、様々な取材をしながらこの映画撮影を同時に進行した。ところどころ、アメリカのドキュメンタリーの第一人者、マイケル・ムーア監督のような、アポ無し突撃取材も見ることができる。インタビューの質問は相手に都合悪いことなので、決してまともに答えてはくれないのだが。その中でも圧巻は、映画撮影がほぼ完了した最後に、李元大統領の事務所前で4年ぶりにアポ無し取材に成功したことだ。チェ・スンホ記者は、「マスコミを破壊した主犯だという批判についてどう思われますか?」と質問を投げた。ここで「主犯」という言葉が使われるが、この映画のタイトルである「共犯者たち」は政権の意図通りの報道しかしない、御用メディアになり下がった2大テレビメディアということだ。
寄付で運営されているニュース打破のサイト
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この映画では、政府の意図によって送られてくる社長や役員を辞めさせるための戦いや、朴大統領のセウォル号事件のときの問題も登場する。その様子を通して、KBSとMBCの記者たちは彼らの記者魂を存分に見せつけてくれる。中でも面白かったのは、一人の記者がフェースブックで「○○○社長は辞めろ」というコールをする姿を生配信する。家族が心配し、それを一人でやってたらただの変人になってしまうと忠告した。その忠告を受けて、考えた記者は、なんと、テレビ局のロビーで、自分から始めて、大勢の記者たちが彼と同じことを始め、お互いに撮り合う、大きなSNS上の運動を起したのだ。このシーンは一見の価値がある。
この映画はメディアが政権側に付いたとき、国家は大変なことになり、国民の知る権利が侵害され、権力者が思いのままにできるということをありのままに見せてくれる。
エンド・タイトルにはこの期間に政府に反発して不当逮捕や不当懲戒されたテレビ記者、関係者の名前が延々と流れる。その人数に圧倒される!
エンド・タイトルにはこの期間に政府に反発して不当逮捕や不当懲戒されたテレビ記者、関係者の名前が延々と流れる。その人数に圧倒される!
翻って日本では、主要放送局の社長や役員が総理大臣と食事をするような状況。日本も李明博、朴槿恵 両政権が歩んだ同じ道を歩んでいるのだ。
日本には韓国のように記者魂を持った記者がいるのか、いないのか。もうそれはすでに明らかなようだ。もう2日後には消費税がアップしてしまうが、テレビでは消費増税に反対する意見はほとんど聞かれない。ツイッターで藤井聡氏が消費増税についてキレている映像が出回っているが、それが奇異に映ってしまうほど、一般の視聴者は洗脳されているのかも知れない。これが僕の思い込みに過ぎないことを願っている。
日本のメディアよ、韓国のタマネギ男について騒いでいる余裕があったら、この映画でも見て反省しろ!
日本には韓国のように記者魂を持った記者がいるのか、いないのか。もうそれはすでに明らかなようだ。もう2日後には消費税がアップしてしまうが、テレビでは消費増税に反対する意見はほとんど聞かれない。ツイッターで藤井聡氏が消費増税についてキレている映像が出回っているが、それが奇異に映ってしまうほど、一般の視聴者は洗脳されているのかも知れない。これが僕の思い込みに過ぎないことを願っている。
日本のメディアよ、韓国のタマネギ男について騒いでいる余裕があったら、この映画でも見て反省しろ!
YOUTUBEには、一時ネット公開された動画が誰かによってアップされている。字幕なしでも見たい人は削除される前にご覧あれ!
September 23, 2019
デビュー41周年の八神純子
八神純子
2008年の過去記事:
八神純子はこれまでもたびたびテレビ出演していて、その映像をYOUTUBEで見たり、他の新しい音源を聞いたりしてきたが、歌声の劣化がほとんどないことにとても驚嘆していた。そんな彼女も61歳。還暦を越えてどれだけしっかり歌えるか、とても興味深かった。
前もって、2017年のライブ音源がSPOTIFYで聞けるので聞いてみたが、しっかりした高音を維持しながらも少し不安を感じる歌声に聞こえたのだ。This Is The ヤガ祭り@Spotify
実は八神純子、今年8月に新曲をリリースしている。タイトルは “Here We Go”で、今回のコンサートのタイトルにもなっている。こちらは正式音源が SPOTIFY などのストリーミングサイトで聞けるようになっているので、ぜひ聞いてほしい。
コンサート
そんな彼女が僕が住んでいるところの隣町、栃木県野木町のエニスホールでコンサートを開くというので、妻の提案を受けて前売り券を買って一緒に見に行ってきた。昨日のことである。冒頭述べたような事前復習、予習をした上で挑んだコンサート鑑賞だった。
コンサートで、彼女の声は、最高だった!先に紹介した最近のライブ音源より遥かに安定した美声を堪能することができた。彼女曰く、若い頃には出せなかった声を出せるようになったということで、これにはびっくりだった。
前半1時間、休憩を挟んで後半1時間、そしてアンコール2曲と、2時間半のフル・コンサート。バッキングはキーボード、ドラムス、ギターの3人に、本人のエレキピアノというシンプルな構成。ベースの音を誰が出しているのか分からなかったが、演奏の厚みはキーボード・シンセサイザーによって保たれていたと思う。
前半では幻のアルバム、メローカフェや、現在製作中のアルバムからの未発表曲二曲を含め、全盛期のヒット曲としては「ポーラー・スター」、「思い出のスクリーン」、「思い出は美しすぎて」が歌われた。ほぼシングルレコードと変わらない歌声で聞かせてくれた。
後半は、オープニングにご当地名を入れた曲を歌った後、「みずいろの雨」、「Mr. ブルー~私の地球」、「パープル・タウン〜You Oughta Know By Now」というヒットパレード、更に 「Take A Chance」、「Rising」とノリのいい定番曲を続け、ほぼ満席状態の会場は総立ち!僕の年齢層から、その上の人たちがほとんどだが、大いに盛り上がった。
最後はタイトル曲、「Here We Go」で締めくくり。
東日本大震災被災地支援と「一年と十秒の交換」
他には、1985年発曲で、当時の南アフリカのアパルトヘイト政策を批判して作られた「ジョナネス・バーグ(ヨハネスブルグ)」や、東日本大震災のときに宮城県女川町への支援活動の間に作られた「1年と10秒の交換」など、メッセージ性の高い曲が歌われたのは嬉しかった。
八神純子は震災後に毎年のように女川町などの東北地方を訪ねて被災者支援活動を行っている。「1年と10秒の交換」という曲は、女川町で旅館を経営していた両親を津波で失い、旅館の後を継いだ娘の話を基にしてできた。その娘さんはその旅館の後を継いで行く気持ちを強く持っていたが、そのことを両親に言うことができなかった。その理由は、いつでも言えるからと思っていたから。まさか、こんな形で両親を失うとは誰も想像できないだろう。その娘さんはそのことを両親に伝えられなかったことをとても悔やんでいたという。それで、自分の1年を神様にあげるから、10秒でいいから両親に会ってその一言を伝えたいというその娘さんの願いを歌にした。八神純子はこの話を聞いて、人に伝えたいことがあったら、しまっておかずにその場ですぐに言うことにしたのだそうだ。
アンコール
アンコールは「Mr. メトロポリス」。これは僕がかつてFM放送をテープに録音してよく聞いたライブ音源に含まれていたので、とても懐かしかった。このあと、バンドメンバーはステージを去り、最後に一人、ピアノの弾き語りで「明日の風」。2時間歌い続けた最後が、歌唱力が最も要求される弾き語りだなんて、なんという自信だろうか。
彼女はトークの中で、年を取ればとるほど、より心は燃えてくると言った。年をとったから、穏やかな歌を好んで歌うとか、バラードばかり歌うとか、そんなものではなく、熱く歌い続けたいという、そんなことばを実証した、熱いステージであった。60歳を超えて、まだまだ発展し続ける八神純子を見た。熱心なボイストレーニングと、演奏、作曲活動を続けて、懐メロ歌手ではない現在進行形のシンガーソングライター、八神純子の、僕は元ファンみたいな感じだったが、これを機会に、またファンになって応援しようと思った。
このコンサートの後、予定がなければCDを買ってサイン会に参加できたのに、これも運命。久しぶりに夫婦一緒に楽しい時間を過ごすことができた。ありがとう、ジュンコさん!
ちなみに、このような人気歌手のフル・コンサートは1999年のゴダイゴ期間限定再結成時の大宮ソニックシティ公演以来、20年振りであり、これで僕の全てである。
最後にテレビで2011年くらいに放映されたヒットメドレー!八神純子入門編動画!
ちなみに、このような人気歌手のフル・コンサートは1999年のゴダイゴ期間限定再結成時の大宮ソニックシティ公演以来、20年振りであり、これで僕の全てである。
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